太陽光発電投資には、自然災害や業者の倒産などのリスクがあります。これらのリスクを回避するには、業者選びや保険への加入など、事前の対策が重要です。本記事では、太陽光発電投資業界に精通した幻冬舎総合財産コンサルティングのクリーンエネルギー室室長・難波透が太陽光発電投資の注意点を解説します。

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「パネルが飛んだ先で家屋が破壊」…買主の負担に?

一般的に「太陽光発電投資」は、国が規定しているFIT制度(固定買取制度)の恩恵があったり、円建ての取引のため為替などの影響を受けにくかったりするため、比較的リスクの少ない投資といわれています。

 

実際、現在のマーケットでは、表面利回り10%が基準で、現在までの実績もシミュレーションから大きく逸脱することは少なく、安定したパフォーマンスであることから「ローリスク、ミドルリターンの投資」などとも称されます。

 

太陽光発電投資業界に携わって9年程がたちますが、大きな失敗、損失はおかげさまで経験していません。ただ、このような安定した投資でも、業界内、知り合い、顧客などからは、大きな損害に遭ってしまったという話を聞くことがあります。

 

太陽光発電において一番多い損害は、やはり自然災害によるものです。地震による倒壊、強風によるパネルの飛散、飛んでいった先での破損、水害による埋没、塩害による錆、故障…など。設置工事の不良、整地不備による陥没などは人災といってもよいと思いますが、こういったことも含めると、設備の不良は想像以上に少なくありません。

 

これらのリスクは、メーカー保証と民間の保険を併用することで、基本的には回避することができます。しかし、設備に付帯されているメーカー保証(主に機器の保証が中心)だけで、自然災害補償や再売電までの売電保証などの保険加入をしていないケースでは、問題が発生します。

 

機器自体はメーカー保証により補填されても、パネルが飛んだ先で家屋を破壊してしまったり、人に怪我をさせてしまったりといった場合の補償はありません。陥没などの場合、一旦パネル、架台(足場として作った台)などを取り外し、再度盛り土などを行う大掛かりな工事が必要となるケースもあります。こういった費用は、施工会社や販売会社はほとんど瑕疵対応(※1)とはならず、買主が実費を負担することになります。

※1 目的物が不完全であったり、引き渡し後に故障してしまった場合などに、買主が負った損害を売主が賠償する

 

このような災害に見舞われた時、再度追加の投資を行い再稼動させるのか、廃棄を検討するのか…ケースによって対応が迫られます。

 

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千葉県のA社の案件では、設置当初に影の影響を避けるため、3m近く盛り土を行いましたが、数年後に土留めをした周りから雨や風による侵食があり、基礎である杭がむき出しになってしまうケースがありました。

 

オーナーから整地業者、設置業者が呼ばれ協議を行いましたが、整地業者は施工業者の施工ミス、設置業者は整地業者がしっかり転圧していなかったからだと意見は平行線となり、結局はオーナーが補修費用を負担して補修が行われました。

施工業者の倒産で、設備不良への対応ができなくなる

自然災害の次に多いのは、施工業者の倒産(不対応)です。実際に私の顧客からも、以前購入した太陽光設備の販売会社が倒産して、以後設備不良の対応などができなくなったと相談を受けることがあります。発電機器は、落雷によるブレーカーダウン、発電量ダウンなど細かな不良は起きることがあり、その場合は、現地に誰かが行って直さなければなりません。通常であれば販売会社(施工会社)が対応しますが、倒産してしまっていては誰に相談していいかわからなくなります。

 

また、設備の引渡しができていればまだいい方で、手付け金や中間金を入金している状況で倒産されてしまい、設備もできあがらず、お金も返ってこないケースもあります。太陽光発電投資は公庫、銀行、信販会社などから融資を受けることがほとんどです。残債だけが残り、それを払い続けているケースもあると聞きます。

悪質な業者をどのように見分けるか?

栃木県在住のBさんは、数年前に太陽光発電投資を検討しC社と契約。営業担当も誠実で、立地も申し分なしでした。しかし着工まで進み、手付け金300万円を振り込んだ後、C社は倒産。当然資金もほとんど戻ることはありませんでした。

 

実はこのBさんの話を直接聞いたのは最近で、太陽光発電投資が怖くなり、しばらくは検討したくなかったそうです。しかし、業者選び、そしてメーカー保証と民間の保険の併用を慎重に検討し、投資を再開。いまでは太陽光数基を所有し、売電を楽しみにしています。

 

これまでの話で、保険の加入、販売会社の選定がいかに重要であるか、理解できたでしょう。太陽光発電投資は、元々リフォーム会社や電気屋、訪問販売などで健康食品を売っていた会社など、「太陽光は儲かるらしい」ということだけを根拠に創業した、他業種からの参入が多い業界です。

 

昨今は活用できる土地が減少している上、銀行の融資、制度(FIT等)自体も厳しくなっていることもあり、儲からない業種になりつつあります。施工責任のもてる企業であればいいのですが、今後、責任逃れを目的とした倒産などを画策する、悪質な業者が増加することを懸念します。

 

上記でも触れていますが、最近は設置に適した土地が少なくなっています。傾斜地や影の入る土地など、太陽光発電に適さない場所への設置を提案してくる販売会社には注意しましょう。また、NEDO(国立研究開発法人、新エネルギー・産業技術総合開発機構)などを利用したシミュレーションではなく、独自の掛け目の高い(発電量が多く見える)シミュレーションを利用する会社にも注意が必要です。

 

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