業績悪化でも株価上昇!?まずは減益理由を確認。でもリスクは大!

※本記事は、2019年3月7日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

 

増収増益が続く銘柄だけではなく減益銘柄でも株価が上昇することは多々あります。減益銘柄へ投資する際はどんなことに注意すべきでしょうか?

株価が上昇するのは「増収増益」銘柄に限らない

筆者は個人投資家の方から銘柄選びのやり方を聞かれた時、まずは「増収増益が続いている銘柄から探すように」とアドバイスしています。

 

なぜなら増収増益が続く成長株は、年々企業価値が増加するので株価が上昇しやすいからです。また、増収増益銘柄を探すのが容易だからでもあります。

 

会社四季報をパラパラめくるだけでも増収増益銘柄はいくつも見つかりますし、銘柄のスクリーニングにより増収増益銘柄を絞り込むことも簡単にできます。

 

しかし、株価が上昇するのは何も増収増益が続く銘柄だけではありません。例えば業績が一時的に落ち込んだとしても、その後業績が回復する見込みが高いと投資家が考える銘柄であれば、株価は上昇を続けるケースが多々あります。

業績悪化銘柄への投資の魅力とは?

最近は株式投資の世界にもAI(人工知能)が入り込んできています。また、アルゴリズム機能を用いた自動売買も盛んに行われています。

 

そのため、例えば企業が業績発表を行い、前期より減益の決算内容だとしたらその銘柄の株価は短期間に売り込まれてしまいます。「減益=売り」とあらかじめインプットされているからでしょう。

 

でも、減益が一時的なもので、中長期的に見た増収増益基調に変わりがないのであれば、株価の大きな下落は逆に優良な銘柄を安く買うことのできるまたとない機会といえます。これが業績悪化銘柄へ投資する大きな魅力です。

その業績悪化は本当に一時的かつ前向きなものなのか?

上場企業の多くは、利益を伸ばすことを投資家に対する責務と考えています。

 

同じ事業を続けていくと、時代遅れになったり陳腐化し次第に利益が出なくなるものもあります。

 

そのため、各企業は将来の利益を得るためにさまざまな先行投資をします。このとき、先行投資の金額が収益より先だって費用計上されるために、一時的に利益が落ち込むことになるのです。

 

典型的なものが、多額の設備投資による減価償却費の増加や、新規事業に必要な人員をあらかじめ確保することによる人件費の増加などです。

 

収益化につながるのはまだもう少し先、でも費用だけは先行するというのが典型例です。

 

将来の利益のために先んじて種まきを行った結果一時的に利益が落ち込む……これが「一時的かつ前向きな業績悪化」です。

 

こうした銘柄を見つけ「一時的に株価が落ち込んで安く買うことのできるときに買い仕込む」というのはプロ投資家の間でも当たり前のように行われています。

 

逆に、増収増益銘柄のように「誰の目から見ても株価上昇が期待できる」のではなく、「利益が落ち込んでいる銘柄の中から将来株価が上昇する銘柄を見つける」というのがプロとしての誇りなのかもしれません。

個人投資家であれば最終的な決断は株価の動きに委ねるのが無難

そして、プロ投資家だけではなく個人投資家の中にも、こうした「一時的な業績悪化により株価が大きく下がっている」銘柄を積極的に見つけようとする人が少なくありません。

 

ここで最も気を付けたいのが「本当に減益が一時的なものなのか」という点です。

 

プロ投資家であれば企業訪問をしたり、プロだけが入手できる情報を使ったりして高い精度で判断できると思います。

 

でも個人投資家にはそこまでの情報量はありません。自分自身は「一時的な落ち込み」と思っていても、実は「業績がピークアウトしていて、当面の間増益は見込めない」というケースも十分に考えられます。

 

怖いのは「業績悪化は一時的だからそのうち株価は大きく上昇するはず」と思っているのは自分だけで、買った後も株価が値下がりを続けてしまうことです。

 

したがって、最終的な決断は株価の動きに委ねるのが無難ではないかと思います。

 

筆者であれば、もし自分自身が「業績の落ち込みは一時的ですぐ復調する」と思っていたとしても、株価が値下がりを続けるうちは手を出さないようにします。

 

自分が「近いうちに業績は回復する」と思っていても、株価が下がり続けているなら、プロ投資家はそう思っていないことの表れだからです。

 

業績悪化により株価が値下がりしている銘柄について「業績悪化は一時的ですぐ回復する」と分析したとしても、やはり値下がりが止まって上昇トレンドに転じるのを待ってから買った方が安全と筆者は考えます。

 

 

足立 武志

足立公認会計士事務所

 

※本記事は、2019年3月7日に楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で公開されたものです。

 

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