新旧の建築様式が共存する緑豊かな高級住宅地
ベルリンでは今、戦後オープンエリアだった土地を再生する面白いプロジェクトが進んでいます。今回は、家賃や物件価格の上昇と平行して人気も高まりつつあるエリアと、お勧めの物件をご紹介します。
シュテーグリッツ=ツェーレンドルフ区 は、豊かな自然を包容する高級住宅地として知られています。学術研究機関や大学もあり、終点駅が区の中心に位置するクルメランケ湖の路線には、分厚い教科書に目を通す学生、よそ行きの服でおめかしした老紳士淑女、愛情を込めて手入れされ、しつけの行き届いた犬と一緒の家族連れなど、落ち着いた心地良い雰囲気が漂います。
この区の東部に位置するシュテーグリッツ地区 には、ベルリン市内で二番目に大きいショッピングエリアがあります。そこだけで何でも揃う大きなショッピングモールが並び、便利な交通網のおかげもあり、非常に人気のエリアです。また、この地区の建造物は、伝統様式と現代様式がそれぞれを引き立てるように共存しているのも、面白いところです。
破壊された建物をリフォームする「建築プロジェクト」
今回物件をご案内するエリアは、シュテーグリッツ地区の南部に位置する「市民公園キーツ」 です。キーツの中心となる市民公園は、景観を楽しむ場所として19世紀の始めに作られました。広さ17ヘクタール(東京ドームの約3.6倍)の敷地には、200~4000㎡の池が点在し、児童公園やミニゴルフコース、野外音楽広場などの他に、アイスバイン料理が評判のレストランもあります。
このエリアは、ベルリン各地で展開しているジェントリフィケーション※の一例に数えられます。
【ジェントリフィケーション】停滞した居住地域が再開発によって高級化され、それに伴って比較的豊かな層が流入する現象。ベルリンでは、プレンツラウアーベルク がその最たる例とされている。1980年代は無法地帯として悪名高い地域だったが、2016年現在は「歩道のベビーカー渋滞」で有名になるほど、子供連れの裕福な家庭が好んで住む大人気エリアとなっている。現在はベルリン中央区と変わらないほど賃料が高い。
今回ご紹介する物件は、市民公園から徒歩3分の場所です。第二次世界大戦末期、爆撃で建物が壊された後、経済的に再建築の間に合っていなかったオープンエリアがありました。被災をまぬがれ残存した建物部分に完全リフォームが行われ、そこに面したオープンエリアには新築の住居用マンションが建つ予定です。中古完全リフォーム部分と新築部分が、ひとつのプロジェクトとして組み合わされているのが、この物件の非常にユニークなところです。
【物件情報概要】
●中古完全リフォーム部分:約60㎡~90㎡ / 部屋数2 / 約20万~35万ユーロ
●新築部分:約70㎡~130㎡ / 部屋数3~5 / 約30万~65万ユーロ
※2017年完成予定
大きな公園の近隣地として、静寂と心の安らぎを日々満喫しながらも、賑やかなショッピングエリアや、暮らしに必要な施設、店舗が徒歩圏内に充実しています。最寄のバス停まで徒歩2分、電車の駅まで徒歩10分、ベルリンの主要空港テーゲルへは車で20分という立地も非常に便利です。極めて快適な住環境が約束された物件と言えるでしょう。