トラックのナンバープレート…「緑」と「白」は何が違うのか?

今回は、トラックドライバーという仕事の実態に迫ります。※現代のトラックドライバーは、洗練された物流システムの中で、自立して活動するプロフェッショナルです。自分で考え、自分で判断し、自分の裁量で仕事をする。そして担うのは、日本経済を支える物流の根幹…。トラックドライバーは、自由に自分らしく働きながら世の中に貢献できる、数少ないビジネスの一つなのです。本連載では、知られざるトラックドライバーの最新事情を紹介します。

「モノを運ぶ」という点ではシンプルな仕事だが…

今回は、ドライバーの働き方について見てみましょう。ドライバーはモノを運ぶという点で見ればシンプルな仕事ですが、運ぶモノはさまざまです。身近なところでは、宅配便のドライバーやコンビニなどに商品を届けるドライバーがいます。引越しで家具などを運ぶドライバーや、建築資材を乗せた大型トラックのドライバーなども、日々の生活の中で目に触れやすいという点では身近なドライバーと言えるかもしれません。

 

一方には、消費者の目にあまり触れないところで活躍しているドライバーもいます。夜間に高速道路を走っている長距離トラックや大型トレーラーのドライバーなどがその一例といえるでしょう。

 

他にも、港と工場を行き来して輸入品・輸出品を運ぶドライバー、農場から食品加工工場に農作物を運ぶドライバー、建設現場に木材や石材などを運ぶドライバーなどがいます。

 

筆者の会社も、自動車部品、食品原料、飼料など、消費者の日常生活とは接点が薄いモノを運んでいますので、いまいちイメージがつかず、どんな人が、どんな風に働いているのか、分からない人が多いかもしれません。そこで、まずはドライバーという仕事の基本を押さえる意味も含めて、いくつかのタイプに分けてみたいと思います。

「白ナンバー」と「緑ナンバー」の違いとは?

運ぶモノのタイプから見てみると、まずは自社製品などを自社の工場などに運ぶ社内ドライバーと、他社や個人からお金をもらって運ぶドライバーに分けることができます。

 

自社製品を運ぶのは、主に白いナンバープレートの自家用トラックです。例えば、自社工場で作った食品を自社の配送センターに運んだり、自社の建築資材を、建築現場などに運ぶドライバーなどがこのタイプに含まれるでしょう。

 

働き方の面では、食品や製造の現場で働きつつ、必要に応じてトラックに乗る人もいますし、ドライバー専任で働いている人もいます。ただ、いずれの場合も食品会社や建築会社に雇用されているケースがほとんどです。つまり、その会社の営業の人や事務の人と同じ雇用形態となるため、収入が運送業界の景気に左右されることはほとんどありません。

 

しかし、運ぶモノの量もあまり変化しませんので、収入が大きく増える機会も少なくなります。基本的には固定給の仕事ですので、「稼ぐドライバー」という点から見ると、少しタイプが異なるドライバーと言えます。

 

一方、他社や個人からお金をもらって運ぶドライバーは、運送業者で、緑ナンバー(青ナンバーともいいます)の営業用トラックに乗ります。筆者の会社はこの業態に含まれます。営業用トラックの特徴としては、運ぶモノの種類や届け先が依頼主次第となるため、多様化しやすいことが挙げられるでしょう。

 

収入に関しては、物流業界や、所属する運送業者の受注状況などによって影響を受けます。自社製品を運ぶドライバーと比べると、働く時間や運ぶモノの量によって収入の変動幅も大きくなります。

 

意外に感じるかもしれませんが、国内で走っているトラックの8割以上は白ナンバーの自家用トラックです。ただ、運んでいるモノの量(重さの総量)で比べると、営業用トラックが68%、自家用トラックが32%と比率が逆転します。

 

どちらのタイプのドライバーも、交通ルールや安全を重視するという点は同じです。ただ、個人と企業や、企業同士を結びつけ、モノの行き来を活性化させるという点から見ると、営業用トラックに乗るドライバーが担う役割は重要であり、運ぶモノに関して幅広い知識と勉強が求められるといえます。

近距離、中距離、長距離…それぞれのライフスタイル

運ぶ距離でタイプ分けすると、近距離、中距離、長距離の三つに分けられるでしょう。

 

厳密に何キロまでが近距離、何キロ以上が長距離といった規定はないのですが、筆者の会社の業務を例にすると、自動車関連の事業は近距離で、県内にある部品メーカーと自動車メーカーを行き来します。近距離の場合はルートがあらかじめ決まっていることが多く、運ぶ部品と量もある程度固定化しています。

 

中距離は、近隣の県などへ出るドライバーです。距離としては、筆者の会社の本社がある愛知県から、関西圏、関東圏くらいまでで、日帰りで往復できる距離を指すことが多いと言えるでしょう。筆者の会社の業務では、家畜の餌を運ぶのが中距離で、愛知県を中心に、岐阜県、三重県、静岡県などへ向かいます。

 

長距離は、道中にあるトラックステーションや、行き先の宿泊施設などで寝泊まりしながら、数日かけて往復する距離のことで、例えば、愛知県から東北、四国、九州などへ向かうドライバーなどがこのタイプです。筆者の会社の場合、液糖という食品の原料を碧南から秋田県まで運ぶこともあります。

 

長距離の場合は1度に運ぶ量も多くなるため、大型トラックやトレーラーに乗せるケースが増えます。大型トラックなどは、運転席の後部にベッドが付いているものも多く、車中泊も快適です。また、長距離が好きなドライバーも多く、筆者の会社のドライバーの中にも、例えば、持ち運び可能なテレビを持ち込むなどして、快適に働いている人がいます。

 

距離が重要なのは、どのタイプのドライバーになるかによって働き方が変わり、ライフスタイルも変わるからです。例えば近距離と中距離ドライバーは、基本的にはその日で仕事が終わりますから、ライフスタイル的には一般的な会社員と変わりません。一方、長距離ドライバーは週のうち数日が出先です。そこに束縛されない自由さを感じる人もいるでしょうし、家に戻れない不自由さを感じる人もいます。

 

つまり、どのタイプの仕事を好むかは、自分がどういうふうな働き方を望むかという個々の価値観によって変わり、自分で選択できるということです。また、子供が生まれた、病気の親の面倒をみたいといったライフスタイルの変化により、遠距離から近距離に変えるケースもあります。

 

筆者の会社のドライバーの中にも、前の職場が長距離の仕事のみだったため、近距離ドライバーになるために転職した人がいます。ドライバーという一つの職種の中においても、そのような選択肢があり、選べる点もこの仕事の魅力といえると思います。

 

 

鈴木朝生

丸共通運株式会社 代表取締役

 

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丸共通運株式会社  代表取締役

1975年、愛知県生まれ。東海大学工学部を卒業し、三菱自動車に入社。生産システム立ち上げ、メンテナンス等の生産技術業務に従事。生産支援システム等では海外との折衝などで活躍する。その後、ファーストリテイリング柳井社長の著書に影響を受け、経営に興味を持つ。実家の丸共通運を継ぐ決意をし、入社。4年ほど現場作業を経験したのち、管理者に就任する。2012年には同社社長に就任。

顧客満足度向上、従業員満足度向上、そして社内教育システムの確立、また地域・お客様・従業員に愛される会社づくりを目指して、日々邁進中。

著者紹介

連載しっかり稼げて自由も満喫!「トラックドライバー」というビジネス

稼ぐ! トラックドライバー

稼ぐ! トラックドライバー

鈴木 朝生

幻冬舎メディアコンサルティング

トラックドライバーというと、デコトラで疾走する“トラック野郎”をイメージする人がいるかもしれません。しかし実際、現代のトラックドライバーは、自立して活動する“物流のプロフェッショナル”です。 トラックドライバ…

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