NZ中央銀行、政策金利のOCRを過去最低の1.75%に据え置き

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ニュージーランド経済状況は、注目する指標により、良くも悪くも見えるところがあり、やや判断しにくい面はありますが、最新のGDPである2018年10-12月期の成長率が前期比で0.6%と回復(前期7-9月期は0.3%)したことから、今回は金融政策は中立姿勢を維持すると思われました。しかし、主に外部要因を背景に将来の引き下げ方向を示唆した点はサプライズでした。

ニュージーランド準備銀行:市場予想通り据え置くも、次の動きは利下げの可能性を示唆

ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は、2019年3月27日に政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を市場予想通り過去最低の1.75%に据え置くことを決定しました(図表1参照)。

 

[図表1]ニュージーランド(NZ)政策金利とNZドル(対米ドル) 日次、期間:2016年3月28日~2019年3月27日 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表1]ニュージーランド(NZ)政策金利とNZドル(対米ドル)
日次、期間:2016年3月28日~2019年3月27日
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

ただし声明の中でNZ中銀は政策金利の次の動きは引き下げとなる可能性の方が大きいと述べたことを受けて、NZドルは下落しました。

どこに注目すべきか:主要貿易相手国、NZドル、政策金利、CPI

ニュージーランド経済状況は、注目する指標により、良くも悪くも見えるところがあり、やや判断しにくい面はありますが、最新のGDP(国内総生産)である18年10-12月期の成長率が前期比で0.6%と回復(前期7-9月期は0.3%)しました(図表2参照)。そのため、今回の金融政策は中立姿勢を維持するとの味方が大半でした。しかし、主に外部要因を背景に将来の引き下げ方向を示唆した点はサプライズでした。

 

[図表2]NZのGDP成長率、消費者物価指数(CPI)の推移 四半期、期間:2014年1-3月期~2018年10-12月期,、CPIは前年同期比 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表2]NZのGDP成長率、消費者物価指数(CPI)の推移
四半期、期間:2014年1-3月期~2018年10-12月期,、CPIは前年同期比
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

声明文に示されたポイントは以下の通りです。

 

まず、経済見通しについてはグローバル経済見通しの悪化をNZ中銀は懸念しています。特に、NZの主要貿易相手国であるオーストラリア、欧州、そして中国の名前を具体的に挙げ、見通し悪化への懸念を示しています。特に中国はニュージーランドの輸出の4分の1程度を占める取引相手だけに、中国の景気減速はニュージーランドにも不安の種となっています。

 

 

次に、足元のNZドル高傾向も懸念要因で、声明文でもNZドル高に言及しています。背景として金融政策の姿勢の違いを指摘しています。NZドルは、年初の米国の利上げ停止示唆を受け上昇ました。3月月初、隣国オーストラリア(豪)の18年10-12月期GDPが市場予想を下回り、豪中銀のハト派観測が台頭し、NZドルは上昇傾向となりました(図表1参照)。

 

もっとも、NZ中銀は前回(19年2月)の金融政策決定会合で、20年末の政策金利の水準を従来の2.0%から1.84%へ予想を下方修正しました。またNZ中銀総裁は会見で利下げの可能性も排除しないと述べるなど、ハト派姿勢を示していましたが、他の国の緩和姿勢がNZを上回っていました。

 

国内景気についても、住宅市場と設備投資が特に軟調で18年の成長を引き下げた要因と指摘しています。

 

なお、インフレ率については、NZの雇用市場が堅調にもかかわらず、コア消費者物価指数(CPI)は目標(1~3%)の中心2%を下回る水準にとどまっていると指摘しています。

 

一方、政府支出の増加や、低金利、堅調な雇用による個人消費の改善をNZ中銀は見込んでいます。前期比で見るとGDP成長率は10-12月期に改善しました。それでも、前年同期比でGDP成長率を見ると、緩やかな減速傾向で、底堅さは維持されるも、回復は鈍いと見られます。

 

従来、NZ中銀の想定を年内据え置き、来年利上げとしていました。今回の声明を受け、年内据え置きは維持するもインフレ率動向次第で来年利下げをメインシナリオとしました。

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『NZ準備銀行、政策金利のOCRを過去最低の1.75%に据え置き』を参照)。

 

(2019年3月27日)

 

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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