物件売却に向けて検討すべき3つのポイントとは?
収益不動産を所有するにあたって、出口戦略は重要です。出口戦略とは、売却における様々な戦略のこと。もちろん持ち続けるという選択肢もありますが、投資の成否を決めるのは売却ですから、いかに高く売るかという視点は持っておいたほうがよいでしょう。
売却に当たって検討すべきことは、大きく分けて次の3つです。
●どのタイミングで売却するのか?
●いくらで売却するのか?
●どのようなコンディションで売却するのか?
赤字物件は売却したほうがよいでしょう。また築年数が古い物件についても、売却して入れ替えるのがベターです。たとえ現状黒字だったとしても、です。
売却の指標には、様々な考え方があります。「築年数が○年になったときに売ろう」などと、物件の商品価値を指標にする考え方。あるいは相場の良いときを待つ考え方。短期譲渡・長期譲渡といった、税務上のタイミングに合わせる考え方などです。
持ち続ける場合にも、「建物が使えなくなったとき、どうするのか?」といったことは考えておく必要があります。建て直すのか。フルリフォームを行うのか。あるいは更地にして売却するのか――それは遅かれ早かれ、誰しもが考えなければいけないことです。
物件購入にたくさんの手法があるように、出口戦略に関しても「これ1本のやり方しかない!」ということはありません。自分に合った出口戦略は、自身の価値観のみならず、家族構成や資産背景によって決まります。
収益不動産の経営は、最低でも数年単位、長ければ数十年にもわたる事業です。購入時にすべてを考える必要はありませんが、自分自身どうしたいのか、出口への考えはまとめておいたほうが賢明です。
物件の状況・程度を正しく把握することが第一歩
売却理由は、物件の抱える問題に通じているものです。順調に経営できている物件を市況に合わせて売却する、ということであればよいのですが、赤字物件を売却する場合には、問題がどこにあるかしっかり把握しておく必要があります。
問題をそのままにしておけば、希望する金額で売れないどころか、買い手が付かない場合もあります。入居率なのか、金利の高さなのか、それとも建物の状態なのか・・・問題の種類によって、打てる手は変わってくるものです。
必要なのは、自分の物件の現状をしっかりと把握することです。現状把握は、有利に売却を進めるための戦略立案の礎となります。次回からは、その分析方法を解説していきます。