前回は、今世界で急速に普及している「シェアリングエコノミーサービス」の概要を説明しました。今回は、世界最大級の民泊サイト「Airbnb」の具体的なシステムを見ていきます。

「Airbnb」の使い方は至ってシンプル

Airbnbは、自分が物件を保有または賃貸で所有していれば、誰でもホストになれる仕組みを元に世界的なブームを起こしました。Airbnbの使い方は、至ってシンプルです。不動産オーナーは、登録画面からホスト登録を行います。そして、貸したい物件の住所、写真や情報を掲載します。これだけで、物件の情報は全世界に公開されます。

 

宿泊希望者は、行き先とチェックイン、チェックアウトの時刻、宿泊人数を入力することで、その地域で貸し出されている物件の一覧を見ることができます。物件は「リスティング」と呼ばれますが、たとえば日本への旅行を検討している外国人(ゲスト)が事前に一つひとつのリスティングを調べて気に入ったところがあれば、そこでホストと連絡を取り合って予約を確定し、宿泊するという流れです。

 

Airbnbの良いところは、ほとんどの宿泊が前日までに予約完了していることが多いことで、通常のホテルのように当日に宿泊予約が入るというケースは稀です。そのため、ホストはゲスト受け入れの予定を立てやすくなります。

 

[図表]Airbnbトップ画面

「Airbnb」利用者が日本で求める部屋とは?

ほかにもAirbnbは、普通の民宿とは異なる点がいくつかあります。

 

1つ目は、宿泊は1組での貸し切りが基本であること。貸し切りを前提としたサービスであるため、価格設定も「1人いくら」ではなく「貸切1日いくら」というのが基本で、そこにゲスト数によって追加料金が設定できるシステムです。また宿泊料金とは別に「保証金」や「清掃料金」などを設定することができます。

 

2つ目は、ホストが普段住んでいる物件やローカルな人が住んでいるような部屋に住めること。一般のマンションやアパートが宿に早変わりするというところがユニークです。

 

3つ目は、毎日予約可能というわけではなく、ホストが貸したい日だけを選んで貸せること。貸す側が先にカレンダーで貸出可能日を設定することで、自分が使いたい日や諸々の予定などで貸せない日には予約をブロックできます。

 

また、Airbnbの利用者は、通常のホテルに宿泊するような外国人観光客とは好みが大きく異なるのも面白いところです。Airbnbゲストは、「外国人観光客向けに用意された、いかにも観光地的なもの」にあまり興味を示しません。

 

たとえば、メニューや内装などで過剰に日本文化を強調した飲食店や、外国人向けにつくられたアミューズメント施設などは、あまり魅力がないのです。彼らにとって、富士山や浮世絵、サムライのポスターのような過剰な装飾は不要で、現代のありのままの日本を求めているのです。

 

そのため、Airbnb利用者のほとんど全員が、旅行会社が組んだ「パッケージのツアー」に参加することはなく、各自で自由に予定を立てた上で訪れます。

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    本連載は、2015年12月11日刊行の書籍『中古アパート・マンションが生まれ変わる airbnb空室物件活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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