前回は、現在の日本の「宿泊施設」が抱える問題点について説明しました。今回は、今世界で急速に普及している「シェアリングエコノミーサービス」とは何かを見ていきます。

エコ面でも注目されるシェアリングエコノミーサービス

今、世界で急速に普及している「シェアリングエコノミーサービス」について、ご存知の方も多いかと思います。シェアリングエコノミーサービスとは、乗り物・スペース・モノ・ヒト・カネといったリソースを、利用者が必要なときにだけ安価に使うことができるサービスのことです。

 

身近なもので言えば、カーシェアリングです。登録を行った会員間で特定の自動車を共同所有し、時間単位いくらで使えるサービスです。レンタカーに近い感覚ですが、一般にレンタカーよりごく短時間の利用を想定してあり、利用者にとってはレンタカーより便利で安価になるよう料金などが設定されています。「週末の買い出しくらいしか車は使わない」という人などに多く活用されています。

 

このサービスは、エコの観点からも注目を集めています。所有者が使用しなくなったものを捨てることなく提供するケースも多いため、社会全体のエコロジー化に役立つからです。

 

日本でも市場は拡大しています。2014年度の市場規模推計(サービス提供事業者の売上高ベース)は、前年度比134.7%の232億7600万円でした。つまり、シェアリングエコノミー市場は、これから右肩上がりの急成長がほぼ約束されている、最もホットな産業なのです。

圧倒的人気を誇り、将来性も期待される「Airbnb」

民泊もこうしたシェアリングエコノミーサービスの1つに当てはまります。

 

あまり活用されていない不動産を民泊施設として提供することで、オーナーは収益を得ることができますし、宿泊する側としては比較的予約が取りやすく一般的なホテルよりも安価で利用できます。実を言うと民泊はすでに全世界でトレンドになっています。日本ではまだあまり知られていませんが、目先の利く収益物件オーナーはすでに民泊を開始しています。

 

彼らの多くが利用しているのが、民泊仲介サービス「Airbnb」です。

 

Airbnbとは、米国Airbnb社が提供する、オンラインでのバケーションレンタルサービスのこと。2015年10月時点で、190ヶ国超の宿が紹介されており、物件のホストと宿泊者を仲介する役割を担っています。

 

物件ホストは、Airbnbのサイトに自宅や自らが所有する賃貸マンション、アパートを掲載し、宿泊料を自由に設定します。基本的に予約は1組だけによる「貸切」、またはホストが在宅するときに、複数ある部屋の1つを「貸出」という方法の2種類があります。

 

観光客にとって魅力的な物件にすることで、宿泊の予約は世界中から入ってきます。シェアリングエコノミーサービスが求められる時代が訪れていることを考えれば、Airbnbが海外では圧倒的な人気を誇る理由にも納得できますし、その将来性にも十分期待できるのです。

 

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    本連載は、2015年12月11日刊行の書籍『中古アパート・マンションが生まれ変わる airbnb空室物件活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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