将来のために大切な「資産づくり」。お金が貯まる人と、貯まらない人にはどのような違いがあるのでしょうか? 本連載では、経営者や中小企業向けにアセットアドバイザリーを行う株式会社HAM代表取締役の垣屋美智子氏の著書、『使えば増える! お金の法則 ―ワクワクしながら資産づくり―』(時事通信社)の中から一部を抜粋し、資産づくりにつながる「効率的なお金の使い方」について解説していきます。今回は、スマホアプリの人気でブームにもなっている「リサイクル」や、日常の買い物について考えていきましょう。

「リサイクルは良いこと」という風潮だけど…

それってリサイクル?――お古をあげない、売らない

 

誰かに「お古のモノ」をあげたり、ネットで売ったりしていませんか。

 

今は個人のネット売買サイトも増えていて、使ったモノを売るのはよいことのような風潮です。誰かにあげてよいことをした気分になったり、ネットで売ってお得感を感じたりして、確かに捨てるよりは環境的にも経済的にもよいのは間違いありません。

 

でも、そういうことが当たり前になってしまうと、「使わなければ誰かにあげればよい」という感覚で、手軽に買い物をすることに慣れてしまいます。

 

使わなくなったモノは、「ちょっと私にはサイズが合わなくなってしまったけど、すごくよいモノなの」「新しいモノを買ったので使わないけど、すごく高かったの」などと言って、他人にあげたりせず、思い切って自分でゴミ箱に捨てるべきです。

 

お古のモノをあげるのは、処分の責任逃れ以外の何物でもないのです

 

間違って買ってしまった自分のミスや、趣味趣向が変わった自分に向き合うことも資金流出を抑えるためには必要です。自分に向き合うことで買い物のクセも意識できますし、自分にとってどういうモノを買うと長く使うか、どういうモノは買い足す必要がないかが分かるようにもなります。

 

また、要らなくなったモノをインターネットなどで販売するのは、決して賢いお金の使い方とはいえません。売ることに慣れると「使わなければ売ればよい」という気持ちで買い物をしてしまいます。

 

さらに、売る人というのは、大体の場合、同じサイトで購入もしています。売って買う場合、むしろ買う方が高くなって、実際には出ていくお金の方が多いのではないでしょうか。

 

なお、例外としてお古のモノをあげてよいのは、子ども服やおもちゃなどです。身も心も成長する子どものモノは、あげる方も、思い入れがありながら手放さなければいけません。もらう方は経済的に助かりますし、愛着があるモノをもらえるのはうれしいものです。

 

Rule

お古のモノをあげるのは処分の責任逃れ。自分で処分し、今後に生かそう

お金を貯めたいなら「まとめ買い」がベスト

夕食の買い物で毎日スーパーに行ってませんか?

 

ショッピング好きな人が浪費しがちなのは想像がつくと思いますが、日々の生活でも要注意なのが、食事のための買い出しです。

 

夕食の買い出しのために、毎日スーパーに行く人もいるかもしれません。

 

毎日、あるいは、ほぼ毎日スーパーに行く人に知っておいてほしいことがあります。

 

それは、「買い物の回数と出費額は比例する」ということです。

 

食材か総菜を買うかという食料の内容に関係なく、スーパーに行く回数が増えれば出費も増えます。つまり、夕食の買い物は、毎日しない方が賢明なのです

 

毎日買い物に行くと、無駄に特売品やデザートを買うだけでなく、「今日のみそ汁用の豆腐は家にあったかしら? 一応、買っておこう」などと、念のための品まで買ってしまいます。

 

買い物に行かなければ、ある品でやりくりするのに、行くと余計なモノや念のためのモノまで買ってしまうのです。そして、使わないうちに賞味期限が切れて、ゴミ箱行きのパターンになるのです。

 

それに食材を毎日買いに行くのは、20世紀のスタイルです。今は冷蔵庫が大きく高性能です。1週間分の食材を冷蔵庫に保存するのに、何ら問題がありません。

 

「新鮮な刺身を毎日食べる」などのこだわりがないなら、食材は週1回の買い物で十分です。

 

それでも、毎日スーパーに行く理由は何でしょう。

 

冷蔵庫の中にあるものだけでは料理がつくれない。スーパーで食材を見ながらでないとメニューが決まらない。忙しすぎて総菜に頼りたい。重すぎて一度で運べない。などなど、理由はさまざまだと思います。

 

しかし、どれも切実なものではなく、“生活の中のクセ”を理由にしているだけです。「毎日の食事のためには、毎日スーパーに行くのが当たり前」と無意識に思い込んでいるだけなのです。

 

だから、考え方を変えてみましょう。

 

1週間買い物に行かない前提で、食材を買うようにするのです。1日ごとの献立を考えるのでなく、1週間の献立を考えて買い物をします。

 

家にある食材だけでどう料理すればよいのか困ったときには、食材だけを入力してレシピ検索ができるクックパッドなど、インターネットサイトの活用も有効です。

 

また、総菜に頼りたい人は、発酵食品や冷凍食品、真空パック加工されている商品を利用しましょう。下ごしらえの必要がなく焼くだけでよい魚の開きなどをメニューに取り入れるのもよいと思います。

 

1週間分の食材の持ち運びが大変だと感じる人は、重いモノをネットショッピングにして配達してもらうのはどうでしょうか。最近だと、スーパーの宅配サービスが増えており、その利用も可能です。

 

また、1週間に1回だけのスーパーへの食材買い出しは、資金流出を防ぐ効果だけでなく、時短にも有効です。

 

毎日30分スーパーに時間を使っているとすれば、1カ月で15時間になります。週1回の買い出しの場合、1回1時間とすると1カ月でたった4時間ですから、毎日買い出しに行くのに比べて、11時間もの時短効果があるのです。食材の買い出しでお金を無駄に使うだけでなく、時間まで無駄にしてしまっているのは非常にもったいないですよね。

 

[図表]毎日と週1回の買い出し時間の比較

 

 

毎日買い物に行く人というのは、そのつど「今日の夕飯は何にしよう」と考えるわけですが、まとめ買いをすると、1週間で大体何をつくるか決まってきますので、日々献立を考えないでよいのです。

 

さらには、まとめ買いをしているので、多めにつくって翌日以降も食べられるようにしたり、カレーとシチューのように手順が途中まで同じ料理は同時に調理をしたり、翌日以降の食事の下ごしらえもついでにしたりと、調理の中でも時短が可能です。

 

こうして使わずに済んだ時間とお金で、本を読んだり勉強したりして、自己投資に当てることができます。あるいは、ゆっくり子どもと向き合う時間にしてもよいと思います。

 

Rule

日々の食材は毎日買うのでなく、1週間分まとめて買おう

 

無駄遣いを誘発する「ポイントカード」というシステム

財布がポイントカードでいっぱいになっていませんか?

 

最近は、会計の際に「〇〇のポイントカードはお持ちですか?」と聞かれることが多々ありますね。持っていないと伝えると、当たり前のように「つくりますか?」と聞かれます。でも、ポイントカードばかり持ちすぎるのは問題です。

 

ポイントカードはポイントを貯めないと意味がないわけで、お金を使うことが大前提です。ポイントカードを行く先々でつくったところで、すべてのカードをそんなに使うでしょうか?そんなに頻繁に使うことはないですし、個人情報ばかり提供する結果になります。

 

また、こんなことを思わずしたことはないでしょうか。

 

2000円で1ポイントつくポイントカードを持っていて、本来必要な商品の会計は1800円でした。1ポイントを獲得するために、あってもなくても困らない品を追加で購入して合計金額を2000円以上にするように頑張ってしまった・・・。

 

これは、ポイントのために無駄な買い物をしてしまった例です。ポイントのために買い物をするのは、お金の無駄遣いだけでなく、思考の無駄遣いなのです

 

最近では提携店舗が多いTポイントやDポイントなどもあり、1枚でどこの店舗でもポイントを貯められるという点では出番も多く、財布のスペースも取らないという利便性もあります。ただし、こういうポイントカードも3社あれば3枚携帯するのではなく、1社に絞るのが賢明です。

 

私の場合、1週間分の日用品を買うスーパーのポイントカードはつくっています。週1回しか行きませんので、カードも日常的には携帯していません。クレジットカード機能付きのTポイントは日々携帯して、使えるところでは積極的に提示しています。あとは、ネイルサロンのポイントカードと飛行機会社のマイレージカードを持っていますが、こちらは両方とも必要なときだけに携帯すればよいので、財布には入れていません。

 

それ以外のポイントカードは、つくったのかつくっていないのかを覚えきれないですし、自宅に保管しても邪魔になるだけなので、つくらないようにしています。それでも、「この店、結構来ているかも。ポイントカードをつくっておけばよかった」と後悔したことは、一度もありません。

 

ポイントも貯めれば資産になりますが、限られた資金の中で貯められるポイントには限度があります。また、ポイントカードばかりを財布に入れていたら、財布も煩雑になっていきます。ポイントカードはつくりすぎない、なるべく集約することを徹底しましょう。

 

Rule

ポイントカードは、できる限り集約して少なくしよう

 

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