米国株式投資戦略 ~短期的な過熱感に警戒~

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

 

ポイント

昨年12月24日にS&P500指数が底値(終値ベース)を打って以降、米国株式市場は直近まで急速に値を戻しています。その背景は、パウエルFRB議長発言や後退する政治リスクにあります。しかし、マクロ経済指標や企業業績の見通しが下方修正される中、米国株式市場の急騰にはテクニカル面で過熱感が出始めており、反動安を警戒すべき局面に入りつつあります。

 米国株式市場が急反発した背景は?

米国株式市場が大きく調整した昨年12月から一変、今年に入ってから急速に下落幅を縮小させた背景は、第一義的にパウエルFRB(米国連邦準備制度理事会)議長の心変わりであり、その後に続いた米中貿易協議や米国政府の一部閉鎖に関連した政治リスクの後退だと考えられます。パウエルFRB議長は昨年12月の段階で、金融引締政策を堅持する方針を明らかにしましたが、その翌月には一転して利上げについては当面様子見とし、FRBのバランスシート縮小についても早期終了を示唆する発言を行いました。さらに、メディア報道等によって米中貿易協議の進展に対する期待感が高まったことや、米国政府の一部閉鎖の解除と再閉鎖の回避が決まったことなども、投資家心理の好転に寄与したと考えられます。

 マクロ経済指標や企業業績の見通しは下方修正が続く

しかし、マクロ経済指標や企業業績の見通しは下方修正が続いています。アトランタ連銀が算出する2018年10-12月期の米国実質GDP予想値(GDPNow、前期比年率)は、 12月小売売上高の下振れによって、2月6日時点の+2.7%から2月14日時点は+1.5%へ大幅な下方修正となりました。 また、S&P500企業の2019年度予想EPS成長率も昨年12月末時点の+7.6%から、直近2月15日時点の+4.6%へ下方修正されました。つまり、足元の株価上昇は、投資家心理の好転によるバリュエーションの上昇が主因であり、企業業績見通しなどのファンダメンタルズの改善では無いというこ とです。

 

[PR]10月10日(火)無料セミナー開催@幻冬舎
『どうなる? ピクテのストラテジストが本音で語る「グローバル株式市場の見通し」』

 

[図表1]S&P500コンセンサス予想EPS成長率(2019年度)とアトランタ連銀GDPNow(2018年10-12月期)

日次、期間:2018年12月末~2019年2月15日 出所:図表1~2 IBES、ブルームバーグのデータを基にピクテ投信投資顧 問作成
日次、期間:2018年12月末~2019年2月15日
出所:IBES、ブルームバーグのデータを基にピクテ投信投資顧問作成

 

 

 短期的な過熱感も見られる米国株式市場

S&P500指数のRSIは2月15日時点で69%と、一般的に「買われ過ぎ」と判断される70%以上の目前です。また、 MACDは昨年12月24日の-77から、2月15日時点で+39と、近年稀に見る急激なモメンタムの回復を示しており、反動安が警戒される局面に入りつつあります。ファンダメンタルズが悪化する中、米中貿易協議や米債務上限問題、ブレグジットなどの政治リスクは依然として残るため、過度な楽観は禁物です。

 

[図表2]S&P500指数、移動平均線、RSI(相対力指数)、MACD(移動平均収束拡散法)

日次、期間:2018年9月28日~2019年2月15日、配当除く
日次、期間:2018年9月28日~2019年2月15日、配当除く
出所:IBES、ブルームバーグのデータを基にピクテ投信投資顧問作成

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米国株式投資戦略 ~短期的な過熱感に警戒~』を参照)。

 

(2019年2月18日)

 

 

田中純平

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト

 

幻冬舎グループがIFAをはじめました!
「お金がお金を生む仕組み」を作りたいけど、相談相手がいない…
この現実から抜け出すには?

 こちらへ 

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系運用会社に入社後、14年間一貫して外国株式の運用・調査に携わる。主に先進国株式を対象としたアクティブ・ファンドの運用を担当し、北米株式部門でリッパー・ファンド・アワードを受賞。アメリカ現地法人駐在時は中南米株式ファンドを担当し、新興国株式にも精通。ピクテ入社後は、ストラテジストとしてセミナーやメディアなどを通じて投資家への情報提供に努める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

著者紹介

連載PICTETマーケットレポート・Deep Insight

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧