本来、法定相続人ではない人間に遺産の相続権はありませんが、「養子縁組」をすることで実子ではなくても遺産を相続する権利を与えることができます。今回は、この養子縁組の活用法、そして配偶者の税額軽減などを見ていきます。

民法上、養子も実子と同じ権利を持つことに

養子縁組とは、血縁関係のない人に対して親子関係を発生させることであり、子のいない夫婦や跡継ぎとなる子がいない場合などによく利用されます。養子縁組で養子を1人増やすと、民法上、養子も実子と同じ権利を持つことになり、法定相続人にも含まれることになります。


法定相続人が増えればその分基礎控除額も上がるので、結果的に、税額が減少する可能性があります。ただし、相続税法上で法定相続人になれる養子は、被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までと決められています。養子に迎える側と養子に入る側(本人が15歳未満の場合は代理人、多くは実親)の合意があれば、「養子縁組届」を役所に提出することで成立します。


相続における養子縁組では、相続させたい人間を法定相続人にして遺産を相続する権利を与えるために利用されます。たとえば、老後に一生懸命世話をしてくれた長男の嫁などは本来法定相続人にはならないので遺産を相続する権利はありませんが、養子にすることで実子と同じように遺産を分割させることができるようになります。

配偶者に偏った遺産分割は「二次相続」で苦しくなる!?

相続税には配偶者の税額軽減があります。これは、配偶者が相続した正味の財産が法定相続分以内であれば税金がかからないとするものです。また、たとえ法定相続分を超えて相続しても、1億6000万円までは税金がかかりません。たとえば2億円の相続財産を配偶者と子1人で相続する場合、配偶者の法定相続分は1/2の1億円となりますが、1億6000万円までは非課税で相続することが可能です。


反対に5億円の相続財産を配偶者と子1人で相続する場合、配偶者の法定相続分は1/2の2億5000万円までが非課税で相続できます。1億6000万円を超えていますが、法定相続分までは控除となるためです。


配偶者の税額軽減では非課税となる金額が大きいのが特徴ですが、配偶者に偏った遺産分割をしてしまうと、その配偶者が亡くなった時の二次相続で子にかかる相続税負担が大きくなる危険性があります。被相続人には二次相続のことも踏まえて分割方法を考えてもらったほうが良いでしょう。

本連載は、2014年8月25日刊行の書籍『相続貧乏にならないために 子が知っておくべき50のこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

相続貧乏にならないために 子が知っておくべき50のこと

相続貧乏にならないために 子が知っておくべき50のこと

大久保 栄吾

幻冬舎メディアコンサルティング

額の大きな相続は、しっかり対策をとらないと相続税が大変。だからといって親が生きているうちから子が積極的に相続対策に関与することは「縁起でもない」ということで、なかなか難しい。 本書では親が生きているうちから、子…

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