前回は、子には必ず伝えておきたい「負の財産」の存在を説明をしました。今回は、親の死後に判明した「隠し子」の存在が財産分配にどう影響するのかを見ていきます。

相続の取り分は「非嫡出子」も「嫡出子」と同等

前回の続きです。親が配偶者以外に特別な関係にあった人物(愛人など)に手切れ金としてマンションを渡していたり、プレゼントとして高額な貴金属をあげたりした場合には、それを相続財産として計上しなくてはなりません。特別な関係にあった人物の存在を知らなければ計上もできないわけですが、税務署は故人のお金の流れを詳細に把握していますから、調査が入れば一発で明るみに出ます。家族にとっては好ましくない存在のために、相続税の申告をし直さなければならないとしたら嫌なものです。

 

それ以上に注意したいのが非嫡出子(いわゆる隠し子を含む)の存在です。親が認知すれば、非嫡出子には相続権が発生するからです。

 

非嫡出子の存在が発覚すると、財産分割が異なってきます。平成25年に最高裁が出した判決により、民法の一部が改正され、非嫡出子も相続は同等となっています(図表参照)。

 

【図表 非嫡出子がいた場合の取り分】

 

相続人からすれば、たとえ見知らぬ子であっても、他の子と同じだけの財産を受け取る権利がありますから、相手が主張すれば分割を一から考え直さなくてはなりません。それで予定していた納税ができなくなる恐れもあるのです。

税理士は「家族に言えない事情」の扱いに慣れている

相続でこうした問題が起こることは実際よくある話です。借金や非嫡出子の問題など、親が打ち明けにくい事情を抱えている時は、子からのアプローチだけでは、不十分かもしれません。

 

そういった時には、私たち税理士を利用してください。私のところにも「実は……」といって特別な事情を相談に来られるクライアントはいます。税理士は〝税〟の専門家ですが、相続案件にかかわる中では〝特別事情〟を扱うことにも慣れています。

 

子としては、「うちの親だって家族に言えない事情の一つや二つは抱えているかもしれない」くらいの腹づもりをしておくことです。その上で、「もし僕たちに話しにくいことがあったら、税理士の先生にだけは話しておいてね」と親にひと声かけておくことをお勧めします。

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    本連載は、2014年8月25日刊行の書籍『相続貧乏にならないために 子が知っておくべき50のこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    大久保 栄吾

    幻冬舎メディアコンサルティング

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