前回は、養子縁組の活用法などを解説しました。今回は、生前に購入すると非課税となる財産と、相続・贈与時に評価が下がる財産について見ていきます。

生前に購入した墓地や墓石、仏壇、仏具は非課税

墓地や墓石、仏壇、仏具など、被相続人を供養するための「祭祀財産」は、相続税や贈与税の課税対象になりません。

 

最近は、金を活用した相続術として、金製のお鈴が高齢者に人気が出てきています。仏具は非課税財産で、造幣局の刻印も入っているので、確実な資産になることが理由です。仏具であれば相続人たちの邪魔にもならないという考えもあるのでしょう。


これらの祭祀財産は、親の死後に買っても非課税財産にはなりません。購入する場合は親が生きているうちに支払いも済ませておく必要があります。祭祀財産は、純粋に「祭祀」のために購入されなくてはなりません。投資や相続税逃れ、あるいは趣味の収集のために購入された場合は、課税対象になります。


親が入るお墓がないとか、家に仏壇がないという場合は、親には子からそれとなく、こうした情報を伝えてあげても良いでしょう。

ゴルフ会員権の評価額は取引価格の7割で計算

ゴルフ会員権は、一時期よりも価格が安くなったとはいえ、今でも何百万円単位になるものも多くあります。ゴルフ会員権の評価は、相続や贈与があった時点での取引価格の7割で計算します。つまり、500万円で取引されるゴルフ会員権であれば、評価額は350万円となり、差額の150万円が節税できたことになります。


資産的価値の高い会員権という意味では、高級スポーツクラブの会員権やリゾート会員権などもあります。リゾート会員権については土地の所有権がついていれば、ゴルフ会員権と同じように7割評価になります。


これらを親が生前に買っていれば、相続の時に税制上は有利になります。ただし、最近はこうした高級会員権の取引があまり活発でないという世情もあります。相続後に換金しようと思っても、やや難しい点があることは理解しておきましょう。

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    本連載は、2014年8月25日刊行の書籍『相続貧乏にならないために 子が知っておくべき50のこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    大久保 栄吾

    幻冬舎メディアコンサルティング

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