前回に引き続き、「20代30代単身女性向けマンション」を建てる際のポイントを見ていきましょう。今回は、「セキュリティ面」にも気を配ったマンションの建て方を見ていきます。

警備システムの導入、構造の工夫などで安心感を確保

ひとり暮らしの女性にとっては、安心して暮らせる安全な環境が確保されているかどうかは、何よりも大きな関心事となります。そのため、できれば、セコムやアルソックなどの警備システムや防犯カメラなどをマンション内に備えておくことが望ましいでしょう。

 

そのうえで、入居者募集の際にセキュリティが万全であることをアピールするのです(月々のセキュリティ費用の負担が気になるのであれば、管理費をいくらか高めにしてみてもよいでしょう)。

 

セキュリティシステムを初期段階で導入することがコスト的に厳しいようであれば、さしあたり通信回線用の配管などを整えておくにとどめるという選択肢もありますし、また、そうされることをぜひお勧めします。後日、システムの導入を決め、配管設備を外づけの形で設けることになれば、部屋のデザイン性を大きく損ねることになるからです。

 

さらに、建物の外観や構造などをほんの少し工夫するだけでも、女性に安心感を与えることができます。

 

たとえば、1階にバルコニーがある場合には、その外側にそれよりも高さのある壁状の覆いなどを設けるのもひとつの手です。それによって、女性入居者は「守られている」という思いを抱けるでしょうし、また中が見えにくくなるのでプライバシーの確保にもつながります。

 

一般に、女性は1階の部屋を避ける傾向がありますが、このような工夫をすることで1階の入居率を高めることも可能となるでしょう。

 

「女性が多いこと」そのものが防犯上のプラス材料に!?

さらにいえば、そもそも入居者に女性が多いということも、女性が安心して暮らせる環境づくりという観点からは大きな意味をもつことになります。

 

実際、筆者の管理しているマンションに地方からこられた若い女性の方が入居されるようなケースでは、親御さんが部屋の確認にこられて、両隣に住んでいるのが女性であることを知り、安心して帰られることがあります。また、同様に「女性が多い」ことを防犯上のプラス材料として、入居を決める人もいます。

 

このように、女性にターゲットを絞ることには、「女性」が「女性」を呼び、その結果として、安定した高入居率を維持できる効果も期待できるのです。

 

本連載は、2013年9月20日刊行の書籍『不動産投資は女性が選ぶ新築RCマンションで始めなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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