「地名」によって、地価にはかなりの差が生じる
これまでの連載で述べてきたように、城南エリアは収益率の高い投資用マンションを建てるのに非常に適しています。
その中でも特にお勧めしたいのは、「甲州街道より南」「環八通りより東」「目黒通りより北」「山手通りより西」となる下記図表で示した区域です。
[図表1]
その理由は、この区域がとりわけ、
①家賃および賃貸需要が安定して高いため、確実な収益と低い空室率が見込める
②家賃が高い他地域に比べ、地価が安い
③比較的高い家賃を払える賃借人が多く、トラブルなどが少ない
からです。
②に関して、この区域の地価が比較的安い理由としては、「地名のネームバリューが、他のエリアと比べてあまり高くない」ことをあげることもできます。同じ城南エリア内にあり、生活環境がほとんど変わらない隣接する地域であっても、実は「地名」によって、地価にはかなりの差が生じています。
「徒歩10分」の物件にするだけで地価は大きく変わる
筆者のオフィスを例にあげてみましょう。私たちは目黒区「大橋」という住所に、自社のビルを構えています。
10mほど先の山手通りを越えると、同じ目黒区でも「青葉台」(いわゆる代官山)という地名になります。地価を比べてみると、大橋が坪あたり約250万~300万円であるのに対し、青葉台は坪あたり約400万~500万円を超える場合もあります。
大橋に比べて、青葉台の方が格段に地価が高いのです。
しかしながら、賃貸をお探しのお客様が、インターネットなどで「東急田園都市線池尻大橋駅から徒歩10分以内」「京王井の頭線神泉駅から徒歩10分以内」といった条件で検索すると、「大橋」にある物件も「青葉台」にある物件も一緒に検索されて出てくるはずです。
要するに、「大橋」も「青葉台」も、最寄駅からの距離はほとんど変わらないのです。しかも、同じ条件のワンルームの賃貸物件の家賃が「大橋」で10万円、「青葉台」で16万円になるわけではありません。「大橋」であろうと「青葉台」であろうと、10万円であることが多いのです。
すなわち、「大橋」に新築一棟賃貸型投資マンションを建てれば、「青葉台」に建てた場合に比べ、土地の取得コストは低く抑えられるにもかかわらず、同額の家賃収入が得られるため、より利回りの高い物件を取得することになります。
同様に、もし自由が丘周辺にこだわって、物件を見つけるのであれば、隣接する緑が丘がお勧めです。
自由が丘駅と緑が丘駅、自由が丘駅と奥沢駅の中間あたり、それぞれの駅に徒歩10分ほどで行ける場所まで行けば、自由が丘駅徒歩7分圏内に比べて、地価は半分ほどになる物件もあるからです。インターネットの賃貸情報サイトの条件検索を見ると、「駅から徒歩5分以内」の次は「駅から徒歩10分以内」となっているケースがほとんどです。
このように、賃貸マーケットにおいて「駅から徒歩7分」と「駅から徒歩10分」の違いは、そう大きくはないのです。
したがって、期待できる家賃収入の額は、自由が丘も緑が丘もほとんど変わらないはずです。そうであるならば、より安く購入できる緑が丘の物件を選ぶ方が合理的といえるでしょう。