不動産投資にかかわるネガティブな報道が続く昨今。副業として賃貸経営を行っているサラリーマン大家は、今後をどのように考えているのでしょうか。本記事では、不動産投資コンサルタントの桜木大洋氏が、アンケート結果から判明したサラリーマン大家のホンネをご紹介します。

継続的な所有物件数の増加を狙いたいが…

不動産賃貸業、ことに「大家さん」は孤独な家業といわれることがあります。

 

組織に属することはほとんどなく、多くのケースでは経営者でありながら実質的な従業員を持たない、したがって経営方針も事業活動もすべて一人で判断・実践しなければなりません。

 

その割に大きなお金を扱う事業なので、うまくいっている時には華やかだけど、うまくいかない時には影響も大きい。良いときも悪いときも自己責任です。

 

1.大家さんの増加

 

そんな大家さんの情報源は、インターネットサイトや書籍などのメディアが中心。もしくはセミナーに参加して直接話を聞いたり、パーティーやコミュニティに出席して人脈を開拓したりと、地道に学んでいくことになります。

 

しかし本当は、実際の大家仲間がどのように考え、どのような経営をしているのかとても気になるところ。不動産投資は、お金を借りて物件を購入し、満室を維持しながら家賃収入で借金を返済し、さまざまな経費を支払った後の実質利益としてキャッシュを得ていきます。

 

とてもシンプルな仕組みなので誰にでもできそうなのですが、実際にはそれぞれの属性や経営状況、もしくは市況の動きによって、状況はさまざまです。ここ数年の全体的な傾向としては、物件価格が上がり、融資が厳しくなったといわれていますが、その環境のなかでも不動産投資家は増え続けています。

 

2.「働き方改革」による意識の変化

 

一方、サラリーマン社会では「働き方改革」なる言葉が提唱され、会社の仕事だけに人生のほとんどを費やすのではなく、十分な休暇や趣味の世界を広げようという名目のもと、人件費を抑えてコストを削減する企業が増えてきました。

 

安定収入を求めて就職したサラリーマンは、給料が上がらないだけでなく、ある年齢を超えると加齢とともに収入が減っていき、定年後の暮らしにも不安が募るばかりです。

 

そこで空いた時間に別の収入を得るための手段を模索し、合わせて各企業も副業に対する柔軟な姿勢をとるようになってきました。

 

3.サラリーマン大家の悩み

 

サラリーマンにとって大家業は最初のハードルが高いものの、一棟所有してからは要領がつかめるようになり、できれば継続的に増やしていきたいと思うものです。

 

しかし融資はどんどん難しくなっていき、買いたい物件の価格は一向に下がらない。そして所有物件の空室対策をはじめとする経営改善に追われていく。もどかしい思いを抱えながら地道な経営を続けなければなりません。

 

資産家から大家になっているケースではまた違った悩みがあるのかもしれませんが、サラリーマン大家独特の課題としては、今の所有物件でどれだけ安定的にキャッシュを得るか、そして今後、自分の身の振り方も含めて次なる展開はどのようにしていくべきか、が大きなテーマです。

 

これについては誰かが教えてくれるものではなく、同じ立場の人の考え方や事例を学び、自分に当てはめていく作業を続けながら答えを見つけていくしかないですね。そういう点で、大家業は孤独であるといわれる所以なのでしょう。

賃貸経営をやめたい人はゼロ! 上昇マインドが重要に

4.アンケートから分かる大家さんの本音

 

2017年11月に新宿で開催された現役大家さんのための一大イベント「賃貸経営フェア2017秋」で、約200名の来場者からアンケートをとり、2017年の賃貸経営状況から2018年に向けての意気込みまで、とてもリアルな声を集約した結果を入手しましたので、私の感想とともにシェアします。

 

ちなみにこの「賃貸経営フェア」とは業界紙の「大家倶楽部」を発行している株式会社博士.comさんが主催され、私も11月12日のイベント当日にゲストとして講演をさせていただくことになっていたのですが、あいにくの事故で右脚を骨折しやむなく断念せざるを得ない状況でした。

 

それでも当日来場された方々の生の声によるアンケート集計結果をみて、現在の不動産投資家の皆さんの状況や考えを感じ取ってみたいと思います。

 

「2017年は、大家業で儲かった?」

ー 儲かった 54%

ー 儲かっていない 46%

 

儲かっていない人の比率が思ったより高いですね。空室が埋まらなかったり、予想外の修繕費が多かったのでしょうか。謙虚に、遠慮して回答された方もいるのかもしれません。いずれにしろきちんとデータをとって、いくら儲かったのかを正確に把握しておくことが、次に繋がる基本だと思います。

 

「来年は新たな物件を購入するべきか?」

ー そう思う 50%

ー 思わない 50%

 

「来年は物件を売却するべきか?」

ー そう思う 32%

ー 思わない 68%

 

「今年所有した物件を売却した?」

ー 売却した 11%

ー 売却していない 89%

 

物件価格が高騰し、利回りが低くなって久しい昨今、それでも購入するかしないかは投資家の考え方次第。そして高騰しているからといって、売却しても次に買える物件がない場合には、しばらく様子をみようと慎重に考える人もたくさんいるのでしょう。

 

「昨年と比べて融資が厳しくなった?」

ー そう感じている 27%

ー 感じていない 73%

 

これは意外な結果です。私の周りでは、投資家はもちろん金融機関も不動産会社も口をそろえて条件が厳しくなった、といっているのに、リアル賃貸経営者たちはそれほどのハードルを感じていないということなのでしょうか。

 

「新たな物件を購入した?」

ー 購入した 38%

ー 購入していない 62%

 

融資が厳しくなったと感じていない人が7割いても、実際に購入している人が少ないですね。そもそも購入しようという活動が少ないのなら、融資の厳しさも感じにくいのかもしれません。

 

「来年、脱サラを考えている?」

ー 考えている 35%

ー 考えていない 65%

 

やはり不動産オーナーは、現在副業であっても、いつかはリタイアしたいと考えるサラリーマンの方が多いですね。一方で、そこまで考えていない人は、やめたいけどやめられないか、やめたいと思わないほど充実しているかのどちらかです。

 

サラリーマンでも不動産投資でも、両方うまくいっている人は最強です。そして、いつかリタイアを考えるなら、サラリーマンの仕事も不動産投資で目指す目標に対しても、十分やりきったと思えるようになってから行動に移すことをオススメします。

 

最後の質問で、

 

「賃貸経営をやめようと思っているか?」

ー 思っていない 100%

 

さすがに賃貸経営フェアに来場する人で賃貸業をやめようと思っている人は一人もいないのですね。

 

5.向上し続けるマインド

 

かなりマインド先行のアンケート回答だったのかもしれませんが、不動産投資でもビジネスでも、常に向上し続けるマインドが必須ですから、こういう人たちから刺激をもらって、自分もやり続ける意識を新たにしていきたいですね。

 

常に自己判断・自己責任ということを踏まえつつ、なかなか周りに見つけることのできない同業者、志を同じくする人々の動向をウォッチしていく姿勢も大切です。

 

本連載は、株式会社フェイスネットワークが運営するウェブサイト「toshi.life」の記事を転載・再編集したものです(https://toshi.life/article/tintaikeiei/15593)。

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