介護ビジネスを「共感マーケティング」で飛躍させられる理由

今回は、介護業界のマーケティング手法として「共感マーケティング」が最適な理由を見ていきます。※人口の高齢化のスピードを上回る速度で増加する介護事業所。過当競争により、小規模事業所の業績悪化や倒産が急増しています。本連載では、今後ますます経営が厳しくなる介護業界において、「共感」を活用したマーケティング手法で稼働率を上げ、経営を維持する方法を紹介します。

設備だけ整えても、利用者は増えない

「共感マーケティング」はほとんどの事業において有効ですが、なかでも、介護事業は最も適している業種といえます。

 

なぜなら介護事業ほど、人と人とが直接ふれあう事業はあまりないからです。つけ加えて共感マーケティングに必要な要素は次の3つです。

 

1 売り込まない

2 想いや実体験を語る

3 ウソは書かない

 

介護は将来的にロボットやAIが一部を代行できると思います。だからこそ、人と接することが求められると確信しているのです。

 

そんな介護事業の利用者にとって、共感できる先かどうかはとても大切な要素です。設備が充実していて介護者が常に丁寧であっても、経営している人やそこで働いている人に共感できない先を利用したいと考える人は少ないでしょう。家族も同じです。事業者に共感できれば、安心して親を任せられます。

 

介護事業に「共感マーケティング」が適しているもう一つの理由に、「真似できない」という特徴があります。前述のとおり、介護事業におけるサービスは真似ることが簡単なので、差別化が非常に困難です。

 

なぜなら経営者や創業者、スタッフをはじめとする人柄や想い、経験はそれぞれ異なるからです。そのため「共感マーケティング」の核となるストーリーは決して真似ることができません。

 

各事業者は自分を形作った経験や胸に抱いた想いなど、それぞれがまったく異なるストーリーを語ることで、中小の事業者や大手と異なった切り口で訴求していけるのです。

 

つまり「弱点」を「強み」へと昇華させることができます。

オンラインとオフラインをつなげ、共感の輪を広げる

ウェブサイトやSNSなどを使った「デジタル(オンライン)営業」とパンフレットやチラシ、見学会などを用いる「アナログ(オフライン)営業」は、関連性が薄いように見えるかもしれません。ところが、実際にはそれぞれをつなげて一連の流れを形成することで、効果的なファンづくりと情報拡散の仕組みづくりが可能になります。

 

私はこの「オンライン(ON-LINE)」と「オフライン(OFF-LINE)」をリンクさせる手法を「O(Online)to O(Offline)Timeline Loop」と呼んでいます。ストーリーのなかでも解説しているとおり、「O(Online)to O(Offline)Timeline Loop」の手法は6つのステップで構成されます。

 

①【Online】:SNSによる関係者のコミュニティ

 

形成SNSでストーリーを活用して、利用者やその家族、ケアマネ、デイのスタッフ等によるコミュニティを形成します。

 

②【Offline】:オフ会を開催して意見交換

 

BBQや子ども連れでも楽しめるイベントなどを開催して、顧客の声を聞きます。送迎の時間について柔軟に対応してほしい、食事をグレードアップできるようにしてほしい、レクリエーションを選択性にしてほしい、デイで趣味を楽しみたい(編み物、手芸、将棋、囲碁、習字、お華、お茶など)といった、要望をできるだけたくさん募ることが重要です。

 

温泉に行きたい、冬はカニが食べたい、レジャーランドに行きたい、有名演歌歌手を呼んでほしいなど、実現が不可能、あるいは難しい意見も聞き取り、次の展開に活かします。

 

③【Online】:コミュニティが活性化

 

②で語られた要望や意見をSNS上で発表し、さまざまな考えやアイデアを募ります。議論が交わされるなかで、コミュニケーションが密になり、デイをよりよくしたいという共通意識が醸成されます。そしてそのコミュニティ参加者により、情報がインターネット上に拡散されます。

 

④【Offline】:見学会等リアルな場面での発表

 

③で交わされた意見を元に、実現可能な取り組みを採用し、見学会等のお披露目イベントを開きます。

 

⑤【Online】:イベント検証やNG要望の再検討

 

④のイベントについてSNS上で振り返り、反省点や効果などについて検証します。また、②において出た要望のなかでNGとされたものについても、実現できるやり方はないか、再度検討します。たとえば、温泉旅行であれば、「年1回程度ならやれる方法」が見つかるかもしれません。

 

⑥【Offline】:再度オフ会

 

再度、関係者が集まり、事業所をよくする会を立ち上げます。

 

[図表]OTOTL

 

※POSとは ポイントオブセールスの略 つまりリリース(公開、販売)のタイミング
※POSとは
ポイントオブセールスの略
つまりリリース(公開、販売)のタイミング

 

こうしてオンラインとオフラインのやりとりを通じて、「他人ごと」から「我がこと」へと変換され、共感の輪を広げていくのです。

 

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株式会社インクルージョン代表取締役
株式会社インクルージョン福祉総研代表取締役
福祉のマーケティング・経営塾塾長、社会福祉士・介護支援専門員 

1979年大阪生まれ。相談員、介護支援専門員、高齢者入居施設の施設長、生活支援員など、多くの現場で経験を積む。2013年、株式会社インクルージョンを設立、代表取締役に就任。自社で福祉事業を行いながら、高齢者、児童、障がい者の福祉全般の経営コンサルティングを5年間で300件以上を手掛ける。
特に事業開業からその後の利用者数アップなどの支援を得意とし、公的機関や民間機関等での講演を多数開催。2018年、「福祉のマーケティング・経営塾」を開設。「誰もが笑って暮らせる社会」を理念として掲げ、「選ばれるサービス」を提供することで利用者と経営者、現場職員が共に喜びを得られることをモットーとしている。

著者紹介

連載介護事業共感マーケティング

ストーリーで学ぶ 介護事業共感マーケティング

ストーリーで学ぶ 介護事業共感マーケティング

藤田 直

幻冬舎メディアコンサルティング

介護事業を始めれば、すぐに利用者が集まる時代は終わった――もはや「マーケティング」なしでは生き残れない。 廃業寸前の介護施設「復活ストーリー」から学べ! 高齢化が進む日本介護事業を始めれば、すぐに利用者が集…

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