高利回りの物件を購入、2年で売却
不動産投資では、いかに手元に現金を残すかが大切です。そのスキームは・・・実は、何ということもありません。ただ、「利回り11%、2億円の物件を購入し2年で売却する」というだけのことです。具体的には以下の図表の通りです。
[図表]これで1億円の現金が手に入る!
この他に、不動産を売却する際には、個人であっても法人であっても、売却益に対して譲渡税がかかります。ただし、税率や計算方法は個人か法人かで異なります。
個人の場合、不動産の売却益は「譲渡所得」と呼ばれ、計算方法は次のようになります。
譲渡所得=譲渡価額(売却代金)-(取得費+譲渡費用)
この譲渡所得は、不動産の所有期間に応じて税率が変わります。
長期譲渡所得(5年以上)=約20%
短期譲渡所得(5年以下)=約39%
この「長期譲渡所得」とは、不動産の譲渡以前の保有期間が5年以上あった場合の譲渡所得を差します。厳密には、譲渡のあった年の1月1日を基準にして課税がなされ、これは投機的、短期的な土地取引による地価高騰を回避しようとする制度です。
一方、法人の場合はすべての売り上げを合算します。
つまり、
(賃貸利益+売却益)×法人税率
法人税の税率は、利益によって異なり、次の通りとなります。
利益の額
0~400万円→約214%
400万~800万円→約23.2%
800万円以上→約36.0%
ここでぜひ覚えておいていただきたいのは、本来当然のことですが、「利回りの高い物件ほど、売却しやすく、売却益も大きくなる」ということです。
「よい物件」なら、いくらでも買っていい
「『買い増し』は必要ですか」とよく聞かれます。私たちの答えは「買い増しは、必要でもないし不必要でもない」です。単純に「欲しいかどうか」の問題だからです。買い増しは、どれだけお金が欲しいかに直結しています。
つまり、その人の考え方、気持ち次第なのです。よりお金が欲しいのならば、買い増ししたほうがいいでしょう。当然、やみくもにただ買えばいいわけではありません。よい物件かどうかを見極める必要があります。
よい物件なら、いくら買ってもいいと思います。たとえば、2億5000万円の価値があるのに2億円で買えたら、売った瞬間に5000万円儲かる。これはよい物件(=儲かる物件)です。「よい物件で買える資金が調達できる」のだったら、どんどん買ったほうがいいと考えています。
でも逆に、2億5000万円の価値のものを3億円で買ってしまったら、買った瞬間に5000万円の損。物件の価値よりも高く買ってしまうと、それ以上の価格では売れません。損するしかないのです。
とはいっても、「世に出回ってる物件100のうち99は儲からない物件」です。投資家の間でよく「千三つ(センミツ)」という言葉が使われます、物件を1000件見ても、よい物件はそのうち3つしかないという意味です。
コラム★稼げる物件は設備も重要
空室リスクを抑え、〝満室経営〟を実現するためには、入居者に好まれやすいデザインや設備を採り入れる必要があります。かといって、これらにお金をかけ過ぎると、建築コストが大きくなって利回りが下がってしまいます。
そこで、知恵と工夫によって設備の費用を極限まで抑える必要があります。
たとえば、マンションに備え付ける調理台の熱源には、都市ガス、IHヒーター、プロパンガスなどの種類がありますが、私たちは、すべてプロパンガスを使用しています。
なぜなら、プロパンガス会社と供給契約を結ぶと、給湯器のほか、エアコンや温水洗浄便座、モニター付きドアホンといったさまざまな設備を無償で提供してくれるからです。
これらの設備を一棟すべてのワンルームに付けると数百万円もの費用がかかります。それがゼロになるのですから、非常にありがたいですよね。借入金が大幅に減って、お金が回りやすくなるのは言うまでもありません。
一方、あまりお金がかからず、ほかの物件と大きく差別化できる設備は積極的に導入しています。浴室テレビやウォークインクローゼットなどがそうです。また、浴室には、地上波だけでなく、BS、CSも視聴できるテレビを必ず設置しています。導入費用はそれほど高くありません。せいぜい10万円から15万円程度。ほかの物件で取り付けているところは滅多にないので、入居者への強烈なアピールポイントになります。
ウォークインクローゼットも積極的に設置しています。これを設けているワンルームマンションもあまり多くはありません。入居者にとって、ワンルームマンションは収納スペースが狭いことが大きな不満の一つです。解消することができれば、不満を減らせることになるので、空室リスクを抑えやすくなります。特に女性の入居者には喜ばれます。
このほかにも間接照明やレール式の照明など、数千円から数万円で取り付けられて、部屋の魅力を高めることができる設備は積極的に採り入れています。不要なところにはお金をかけず、最小投資で最大効果が得られるところにはお金をかける。これが利回りを高めつつ、空室リスクを抑えるための秘訣です。