いいね!レベルでは無理…「お金が集まる共感」5つのポイント

今回は、クラウドファンディングに不可欠な「出資者の共感」を得る方法を見ていきます。※本連載は、株式会社パブリックトラストの代表取締役である佐藤公信氏の著書、『クラウドファンディング2.0』(日本文芸社)から一部を抜粋し、新時代のクラウドファンディングについて解説していきます。

エモーショナルな共感+金銭的メリットの期待=出資金

株式投資型クラウドファンディングでお金を集めるには、出資者に共感してもらうことがカギになります。「このビジネスを応援したい」「この会社を応援したい」という気持ちになってもらえると、お金が集まります。

 

共感の度合いは金額に表れます。「300万円共感」「1000万円共感」「3000万円共感」など、金額がその会社への共感の一つの指標とも言えます。

 

では、どうしたら共感を得られるのでしょうか。

 

共感してもらうには、その仕組みを知っておくことが必要です。

 

株式投資型クラウドファンディングの「共感」は二段構造になっています。

 

一段目は、「この会社はいいことをしている。この会社のビジネスが広がると、社会がもっと良くなる。社会的価値がある会社だ」と思ってもらうこと。ワクワク感や温かみなど、エモーショナルな気持ちを呼び起こすことです。

 

ありふれたことかもしれませんが、「子供の健康のため」とか、「地元農家の発展に貢献したい」というものなら、エモーショナルな共感を生み出しやすいでしょう。

 

第一段階の共感は、SNSで「いいね!」を押してもらうようなタイプの共感であり、共感してもらうことによって会社のファンが増えていきます。いわば「志(こころざし)」への共感です。

 

第一段階の「共感」だけなら、支援者が株式投資型クラウドファンディングを選ぶかどうかわかりません。

 

「見返りなんて、何もなくてもいいから応援したい」という人は、寄付型のクラウドファンディングを選ぶかもしれません。「社会に貢献するすばらしい商品だ。この会社の商品を買ってあげよう」と、購入型のクラウドファンディングを選ぶこともできます。

 

株式投資型のクラウドファンディングを選んでもらうには、第二段階の「共感」が必要です。それは、金銭的な共感です。

 

「この会社の株を持っていると、将来儲かりそうだ」という経済面での共感。それを呼び起こさないと、株を買ってもらうことはできないはずです。

 

第一段階の共感と、第二段階の共感を両方呼び起こすことが、株式投資型クラウドファンディングでの資金調達を成功させるカギです。

 

過去の株式投資は、第二段階の共感が中心でしたが、株式投資型クラウドファンディングは、第一段階の社会貢献的な共感をより強く意識したものです。

 

金融庁も、日本証券業協会も、社会貢献的な面を大事にしてほしいという意向のようです。

 

最近は、経営者の中にも「公益資本主義」とか、「貢献型金儲け」と言っている人たちがいます。

 

もともと、事業というのは、お客さんに貢献して、その対価としてお金をもらうもの。人の役に立たなければ、お金を払ってもらうことはできません。その意識を強く持って、視点をお客さんだけでなく、地域社会や世の中全体に広げているのが社会貢献型の企業です。

 

昔から日本には、このような考え方が根付いています。近江(おうみ)商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」という「三方よし」は広く知られています。

 

経営の神様と言われた松下幸之助さんは、社会のお役に立つことが会社の利益になるのだと言っています。

 

自社のお客さんにだけ貢献している会社は、それほど大きな価値にはなりませんが、社会全体に貢献している会社は、大きな価値になります。

共感を得るには「思い・考え」の自発的な発信が必要

多くの人に共感してもらうには、自社のことをきちんと伝えていくことが必須条件です。

 

世の中には、社会貢献につながる仕事をしている会社はたくさんあります。

 

しかし、社長自身がそれをよく認識していないケースもあります。認識していても、マーケットにうまく伝えていないというケースもあります。

 

私がお会いした社長の中にも、「そんな、当たり前のこと、言うまでもないでしょ」と言う人がけっこういました。自分の頭の中でわかっていても、社員に伝え、お客さんに伝え、社会に伝えないと、共感は広がっていきません。社員にすら伝えていない社長もたくさんいるようです。

 

共感を得るには、頭の中で思っていることを、外に出して、伝えていくことが重要です。

 

「世の中にはこういう課題があります。だから、こういうことをすると世の中のためになり、そのために、うちの商品はこういう貢献ができます」

 

という伝え方が必要です。将来的にどうなりたいのか、そのために何をするのかということを伝えれば、共感を得やすくなります。

 

まとめてみると、次のようなポイントです。

 

①世の中にこういう社会課題がある

②だから、こういうニーズがある

③うちの商品は、そのニーズにこういう貢献ができる

④将来的には、こうしていきたい

⑤そのために、今、こういうことをする

 

これらの5つのことを伝えると、「世の中が良くなりそうだ」と思ってもらえて、共感が生まれます。

 

クラウドファンディングの中には、「社会課題の解決」を中心に据えているものがたくさんあります。世の中の課題を見つけて、それを解決していく手法を示すと、共感を得やすくなるからです。

 

「社会課題解決」という言葉を大げさに感じる人は、「世の中のお困りごとを解決する」と考えてもいいと思います。お困りごとというのは、世の中にあるニーズです。

 

お困りごとの解決の仕方は1つではありません。解決の仕方がプロダクトであり、サービスです。新しい解決の仕方として、AIやビッグデータ解析、バイオ技術などの最先端の技術を使う方法もあります。

 

そうした解決法によって、社会がより豊かに、より安全になることを感じてもらえば、共感を得やすいでしょう。

 

たとえば、身近なところで社会課題になっていることには、こんなものがあります。

 

●高齢化・少子化

●女性活躍

●働き方

 

こうしたテーマの中には、ビジネスのヒント、共感のヒントがあるはずです。次回から一つひとつ見ていきましょう。

 

 

佐藤 公信

株式会社パブリックトラスト代表取締役

 

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1960年生まれ。千葉県出身。株式会社パブリックトラスト代表取締役。クラウドファンディング・コンサルタント、および、起業家の夢を企画にする専門コンサルタント。
立教大学社会学部卒業後、12年間、株式会社クレディセゾンで企画業務に携わる。構想を企画にするノウハウと戦略構築の手法を独自に体系化、ストラテジックタワー(戦略四角錐)を考案。
2000年、株式会社パブリックトラストを設立。「誰でもわかりやすく、一流の経営戦略を作れる」をコンセプトとしたオリジナルメソッドで、これまで2000人以上の社長の事業計画書作成を支援。同時に、株式投資型クラウドファンディング(IFO)で投資資金を調達する支援を、前身のグリーンシートの頃から行なっている。コンサルタント会社として支援数は全国一。
クラウドファンディングやベンチャーキャピタルからの資金調達、IPO、戦略構築、イノベーションセミナー等を定期的に行なっている。

著者紹介

連載「共感」が広げるビジネスの可能性…クラウドファンディング2.0

本連載は、投資を促したり、特定のサービスへの勧誘を目的としたものではございません。また、投資にはリスクがあります。投資はリスクを十分に考慮し、読者の判断で行ってください。なお、執筆者、製作者、日本文芸社、幻冬舎グループは、本連載の情報によって生じた一切の損害の責任を負いません。

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