メンフィスの再開発プロジェクト「Union Row」の今後は?

本記事は、メンフィスの再開発プロジェクト「Union Row」について見ていきます。※本連載では、Win/Win Properties, LLCの呉純子氏(パートナー/アメリカ代表)が、日米での不動産開発や都市計画作りに携わった経験なども踏まえ、米国不動産投資の穴場といえる「メンフィス」の最新不動産事情をご紹介します。

再開発計画が続々と持ち上がる「メンフィス」

テネシー州の南西部に位置するメンフィスは、不動産価格が手頃かつ経済的にも成長していて、投資家の間で人気な地域です。さらに、今後さまざまな再開発の計画が持ち上がっており、さらなる発展が期待できます。「メンフィス・セントラル駅」周辺の開発や、「セント・ジュード小児研究病院」の拡張なども話題ですが、ダウンタウンの再開発で「Union Row」という大規模なプロジェクトが進行中ということで、今回はそちらのご紹介をします。

 

「Union Row プロジェクト」とは?

 

「Union Row」と名付けられた再開発プロジェクトの対象エリアは、ユニオンアベニュー、ダニー・トーマス通り、ビールストリートで囲われた地域です。面積は29エイカー(0.117㎢)となっています。29エイカーというと日本だとイメージしにくいかと思いますが、一辺が約340メートルの四角を想像してみると、すこしわかりやすくなるのではないでしょうか。

 

総事業費は、9.5億ドル(約1,073億円)にも及びます。たとえば、ロサンゼルスの再開発などは1つの複合施設で1~3億ドルの費用がかけられているので、1つの地域に対しての事業費として考えると、大規模なプロジェクトになっています。

 

建設の内容としては、アパートメント・ホテル・公園・スーパーマーケット・グローサリーストア・レストラン・バー・駐車場・オフィスなど、ここだけで生活が完結できてしまうほど十分な施設がそろいます。

 

アパートメントは2,103戸がつくられる予定で、スーパーマーケットとグローサリーストアは126,000平方フィート、オフィスは388,000平方フィートの面積を使用するとのことです。そして、ホテルは380部屋が計画されています。街並みが変わり、新しい人が増え、まったく別のエリアとして変貌を遂げることでしょう。

 

◆プロジェクト発足の背景とは?

 

そもそも、なぜ再開発なのでしょうか? メンフィスといえば、ブルース発祥の地であり、エルビス・プレスリーの故郷です。そしてユニオンアベニューやビールストリートは、ライブハウスや音楽スタジオが立ち並び、街中が音楽で溢れかえります。

 

しかし、「Union Row」と名付けられた今回対象となったプロジェクトのエリアは、65%が空地となっていて、風景としては少し寂しくなっています。また、税収が少ないという課題もありました。つまり、再開発プロジェクトによって、音楽だけではない、利便性の高い街づくりを行い「ダウンタウンの入り口」として生まれ変わることで、人を呼び込み、経済的もさらに発展させていきたいという想いが込められています。

年間の経済効果は2億2800万ドル!? 雇用増加に期待も

◆期待される効果

 

このプロジェクトの年間の経済効果は、2億2,800万ドルといわれています。また、スーパーマーケットやホテル、レストランなどに従業員が働くことになり、約5,100もの新しい仕事が増えるとも想定されています。雇用が増えれば、地域の経済は飛躍的に伸びます。

 

また、住みやすい街づくりとして重要な要素があります。それは「明かり」です。これまで空地になっていたところに、スーパーマーケット・グローサリーストア・アパートメント・ホテルなどができることで、人の出入りが増え、電気が夜遅くまでつくようになります。結果として犯罪防止につながり、お子さんがいるファミリーでも安心して生活ができます。

 

◆今後の流れ

 

開発プロジェクトは、3つの段階にわかれています。第1フェーズでは、アパートメントを673戸、ホテルは200部屋、オフィススペースは344,000平方フィート、スーパーマーケットは53,600平方フィートまで進む予定です。そして、第2フェーズ、第3フェーズでは残りが進められるとのことです。

 

開発業者は委員会への説明を進めており、具体的な建設開始時期としては、来年の6月を予定しています。また2021年には、全体像の約3分の1を占める第1フェーズの完了を目指しているということで、最終的な完成も遠い未来ではなさそうです。

 

 

呉 純子

WIN/WIN Properties,LLC パートナー(アメリカ代表)

WIN/WIN Properties,LLC パートナー(アメリカ代表)

不動産開発や都市計画で9年以上の経験がある。
以前は東京で集合住宅の建て替えプロジェクトに関わり、ニューヨーク市政府の住宅保全、開発部門(HPD)、ニューヨーク州エネルギー研究開発局(NYSERDA)によって開発されているグリーンビルディングイニシアティブプログラムにも従事していた経験がある。
ニューヨーク大学にて、都市計画の修士を取得。
持続可能な開発と投資に精を出し、今後も世界中にいるアメリカ不動産投資家のサポートをし続ける計画だ。

WEBサイト http://winwin-pro.com/

著者紹介

連載現地発!本当は教えたくない米国不動産投資の穴場「メンフィス」の最新情報

 

 

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