アメリカ不動産投資家なら知っておきたい「山火事」現地事情

本記事は、アメリカ不動産投資家なら知っておきたい「山火事」の現地事情を見ていきます。※本連載では、Win/Win Properties, LLCの呉純子氏(パートナー/アメリカ代表)が、日米での不動産開発や都市計画作りに携わった経験なども踏まえ、米国不動産投資の穴場といえる「メンフィス」の最新不動産事情をご紹介します。

カリフォルニア州で発生した「史上最悪の山火事」

2018年11月8日木曜日、カリフォルニア州で大規模な山火事が発生しました。

 

まず、北部のビュート郡で「キャンプ・ファイア」という山火事が発生、その後拡大し、南部のロサンゼルス近郊・ベンチュラ郡で、「ウールジー・ファイア」「ヒル・ファイア」が発生しました。特に、前者2件が大きな山火事になっています。

 

計1万4500棟もの建物が破壊されており、火災面積としては「キャンプ・ファイア」が約15万3000エイカー(620㎢)、「ウールジー・ファイア」が約9万6000エイカー(390㎢)、「ヒル・ファイア」が約4500エイカー(20㎢)となっています。東京都の約半分に相当する面積で、被害規模の大きさがよくわかります。

 

11月19日時点で、「キャンプ・ファイア」で79人、「ウールジー・ファイア」で3人、計82人の死者が確認されています。30万人以上が避難を余儀なくされ、いまだに700人以上が行方不明、9400人の消防隊が救出にあたっています。数字だけで見ても、今回の山火事は、「キャンプ・ファイア」がカリフォルニア州、「ウールジー・ファイア」がロサンゼルス近郊として過去最悪の規模となりました。

 

今回の火災での損失額(保険負担額)について、リスクモデリング会社 Risk Management Solutions, Inc. は「キャンプ・ファイア」が最大100億ドル、「ウールジー・ファイア」が最大30億ドル、合計130億ドルにまで達するとの推計をまとめています。これには不動産、自動車、事業中断の補てんコストなどが含まれているようです。

 

完全な鎮火は11月いっぱいの目途となっているようですが、雨が降ることも予想されており、行方不明者の捜索も含めて、復興には相当時間がかかると考えられます。また、直接的な被害以外にも山火事の影響が広がっています。というのも、山火事の現場から遠く離れた地域まで煙が充満し、大気汚染が拡大しているのです。人体への影響も危険視されています。

高級住宅地マリブ地区に住むセレブを襲った自然の猛威

「ウールジー・ファイア」は、豪邸が建ち並ぶ高級住宅地であるマリブやカラバサスを炎で包み、セレブたちは避難をよぎなくされました。避難した彼らはSNSを活用し、ファンへの報告や、被災者や消防隊員への支援を呼びかけました。それぞれがSNSにあげた写真は、悲惨で恐ろしくて痛ましい現場の状況を物語っていましたが、彼らのメッセージによって励まされた方は多いでしょう。

 

歌手のレディー・ガガさんは、不安とともに避難したことや、被災者への悲痛な気持ち、消防車への感謝の気持ちをツイッターで綴っていました。俳優のウィル・スミスさんも自宅から避難をしましたが、インスタグラムで避難区域にいる人々へ今すぐ避難するように呼びかけていました。

 

歌手のマイリー・サイラスさんは、自宅が焼失したことをファンに報告していました。しかし、本人は「私はラッキーな人」と表現していて、ペットや婚約者が無事であることを喜んでいました。俳優のジェラルド・バトラーさんは、自宅が全焼していて、現場の状況を「まるで戦場だ」とインスタグラムで書いていました。火事というよりも爆発に近い様子を表していました。

 

◆同州で頻発する山火事

 

2017年12月、「トーマス・ファイア」というカリフォルニア州最大の山火事が発生しました。約28万エイカー(1130㎢)が焼け、約1000軒が倒壊し、死者2人、被害総額は1億7700万ドルを超えました。27万3000エイカー(1100㎢)を焼き払った2003年の「シダー・ファイア」を超え、最大規模の山火事となりました。

 

すると、今年8月には、「メンドシーノ・コンプレックス」という山火事が発生し、たちまち「カリフォルニア州最大規模」と称されました。「リバー・ファイア」と「ランチ・ファイア」という2件の山火事が同時に発生したもので、焼失規模は約45万エイカー(1820㎢)、280棟が倒壊、死者1人、被害総額は2億6700万ドルとなりました。

 

今回発生した山火事は、最近起きた最大級の2件と比較しても、死者の人数はもちろん規模や建物の倒壊数など、総合的にみて史上最悪といえます。

 

◆山火事と不動産について

 

カリフォルニア州では、このような山火事はめずらしくありません。もともと発生しやすい環境にあり、ここ数年、特に大規模火災が多く発生しています。しかし、山火事が不動産の市場価値を直接変えるわけでもないのです。カリフォルニア州の不動産価値は、年々少なくとも6%以上あがってきました。山火事に近いところにあえて物件を見つけ、不動産投資する現地の投資家もいます。また、2028年開催予定のロサンゼルスオリンピックに備え、これからの住宅開発も進んでいきます。

 

 

呉 純子
WIN/WIN Properties,LLC パートナー(アメリカ代表)

 

WIN/WIN Properties,LLC パートナー(アメリカ代表)

不動産開発や都市計画で9年以上の経験がある。
以前は東京で集合住宅の建て替えプロジェクトに関わり、ニューヨーク市政府の住宅保全、開発部門(HPD)、ニューヨーク州エネルギー研究開発局(NYSERDA)によって開発されているグリーンビルディングイニシアティブプログラムにも従事していた経験がある。
ニューヨーク大学にて、都市計画の修士を取得。
持続可能な開発と投資に精を出し、今後も世界中にいるアメリカ不動産投資家のサポートをし続ける計画だ。

WEBサイト http://winwin-pro.com/

著者紹介

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