イェール大学が多数の「金融人材」を輩出できる理由

今回は、イェール大学が多数の「金融人材」を輩出できる理由について見ていきます。※本連載では、株式会社GCIアセット・マネジメント、投資信託事業グループの執行役員である太田創氏が、「米国名門大学のエンダウメント投資戦略」とは何かを、初心者にもわかりやすく説明します。

イェール大学ビジネススクールの「3つのミッション」

本連載第23回(関連リンク『最新決算から見る「米国エンダウメント」の運用パフォーマンス』参照)で、米国エンダウメントの2018年度トップ・パフォーマー(リターン+15.7%)であるボウディン大学を紹介しました。実は、同大学の運用責任者はイェール大学の卒業生であるPaula Volent氏です。


イェール大学は資産運用業界に多くの優秀な人材を輩出します。今回は、なぜイェール大学がそうした人材を輩出できるのか、その背景について考察していきます。

 

イェール大学のビジネススクールである「Yale School of Management」は、特に多くの金融人材を輩出しており、下記の3つのミッションを掲げています。

 

(1)学部教育と一体化した大学院であること。

(2)最もグローバル化した米国のビジネススクールであること。

(3)すべての産業や学術領域にトップクラスの人材を供給していると認識されること。

 

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こうした理念を通して、学部・大学院を通じて通算6年間(博士課程を入れると8年)以上もの間、金融教育だけではなく、グローバルな観点からビジネスをどう捉えるかといったところまで教育していきます。その結果、輩出される人材は金融業のみならず、航空宇宙産業から運輸業までほぼすべての産業で活躍しています。

 

金融業界には数多くのイェール大学卒業生がいますが、その背景には1980年代から同大学エンダウメントのCIOであるDavid Swensen教授が大きく影響していると考えられます。同教授は、現在多くのエンダウメントがモデルとしている資産配分戦略を考えた方で、今でも多くの資産運用関係者はその考えをお手本としています。その戦略が奏功し、80年代には1500億円程度であった運用資産が、30数年後には3兆円を超えるまでになりました。

第41代~第43代米国大統領も輩出したイェール大学

下記は、イェール大学のホームページより参照した、イェール大学出身の各産業界のリーダーたちです。

 

<コンサルタント>

Matt Rogers(マッキンゼー&カンパニー シニア・パートナー)

 

<消費財>

Indra Nooyi(ペプシコ 会長)

 

<金融>

John R. Shrewsberry(ウェルズ・ファーゴ証券 CFO)

Steve Algert(ゲティ財団 マネージング・ディレクター)

 

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政治やエンタテイメント分野には、下記の人材を輩出しています。

 

<政治>

ジョージ・H・W・ブッシュ(第41代米国大統領)

ビル・クリントン(第42代米国大統領)

ジョージ・W・ブッシュ(第43代米国大統領)

ヒラリー・クリントン(元米国国務長官)

 

<エンタテイメント>

ポール・ニューマン(米国俳優)

ジョディ・フォスター(米国俳優)

 

このように、産業界のみならず、政治・エンタテイメントの分野にも著名人を輩出しています。当然ながら、こうした人材からの寄付金もかなりの金額となり、2016年には約580億円もの資金を得たと報道されています。

 

ある意味では、大学のレベルを上げることで優秀な人材が輩出され、そのリターンとして将来寄付金を得ることにつながります。そこで得た寄付金を高いパフォーマンスで運用するモデルに取り組んでいるといったイメージです。


エンダウメントは運用主体としてばかり捉えられがちですが、大きな意味では米国の教育産業を支えているメカニズムとも考えられます。

 

 

太田 創

株式会社GCIアセット・マネジメント

エクゼクティブ・マネジャー(投資信託ビジネス担当)

 

一般社団法人 日本つみたて投資協会 代表理事

関西学院大学卒。
1985年、三菱銀行(当時)入行。
1988年より約10年間、英国およびブラジルで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年から2019年までシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。

著者紹介

連載個人投資家のための「米国名門大学のエンダウメント投資戦略」入門

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