病院選びの情報源は4割近くが「Web」経由
患者がWebサイトの情報を元に病院を選ぶことが当たり前になっています。
独自調査でも、病院選びの情報源は4割近くが「Web」で、今後はさらにこの傾向が進むものと見られています。
[図表]
患者の求めている情報やニーズに、Webサイトで対応できない医療機関はどんどん淘汰されていくでしょう。
しかし、Webサイトを持つからといって、その医療機関を信用できるわけでもありません。
今回は、Webサイトは一見普通に見えるが、よく見てみるとやっぱり危ない、そんな「行ってはいけない病院」の見極め方を前回に続き、ご紹介したいと思います。
患者の体験談は禁止…医療広告規制を遵守しているか?
2018年6月より施行された改正医療法により、医療広告のガイドラインが大幅に変更されました。美容医療サービスに関する度重なる消費者トラブルが事の発端で、これまで医療法上では広告規制の対象となっていなかったWebサイトがすべて対象に、医療機関のホームページもすべて「広告」として扱われることになりました。
これにより、Webサイト上の「比較広告」「誇大広告」「虚偽広告」「公序良俗に反する内容の広告」が全面禁止となり、厚生労働省のネットパトロールに取り締まられることになりました。
しかし、新たな医療広告のガイドラインが微妙に複雑なこともあって、後手に回っているクリニックも多いのです。
そんな新たなガイドラインに病院がきちんと対応できているのか、見分けるポイントがあります。それは「患者の体験談」と「術前術後の症例写真」です。
患者の体験談は主観に基づくため、治療の内容や効果が客観的事実として証明できない場合は、患者の体験談のWebへの掲載が禁止されることになりました。
併せて、「国内最高峰の○○治療」や「○○満足度No.1」といった、事実かどうか確認できない煽り文句も、不適切として規制されることになりました。
これらの情報がトップページを飾っているような病院は危ないのです。
さて、術前術後の症例写真に関しては、完全に禁止されたわけではありません。
具体的な治療内容や副作用、治療のリスクなど、詳細な説明の補足として写真を使うのであれば、これまで通り大丈夫なのです。
術前術後の症例写真を大きく載せて、「こんなにきれいになります」のコメント一言、どこから見ても規制違反です。このようなWebサイトを展開している病院には「行ってはいけない」のです。医薬品や医療機器の規制があったとして、複雑だからとほったらかしにするようなドクターはいません。それは医療広告規制にも当てはまります。患者のためを思えば、法令遵守が当たり前なのです。
本業が忙しくて、Webサイトが後回しになってしまうことは理解できますが、経営者の立場から考えると、院長や理事長がやるべきことは、患者を主体に考えたアクションをどう取るのかということでしょう。
HPに情報量が少ないのは「患者目線」になれない証拠
検索結果ではあらゆる分野に強いクリニックと謳われていても、しかし、いざWebサイトを覗いてみると、結局どんな分野に強いのかさっぱりわからない、というケースがあります。
患者に広くアピールすることに躍起になって、手が回りきらずに内容の更新が滞りがち。Webサイトで患者に正面から向き合えない病院は、実際の診療でも患者目線を忘れがちになります。
間口は広いが底は浅い、そんな病院は危ないのです。
結局、そういう病院は口コミサイトで評判を確認する必要があるのですが、前提として、患者に情報収集の段階で手間をかけさせるような病院は避けた方がよいでしょう。それよりは、患者自身の知りたいことや解決したいことを網羅するWebサイトの病院を優先すべきだと思います。つまり、患者に対するおもてなし精神=サービス業であることを体現している病院が望ましいと言えます。
病院名を検索すれば「口コミ」を調べることができる
Webサイトにある病院の口コミは、一般的に病院の良かったところを挙げて、他の患者にもおすすめする形式をとる場合がほとんどです。
そんな中、一線を画するのがGoogleの口コミです。まるで通販サイトの商品レビューやグルメサイトのように5つの星で格付けされ、患者の率直なコメントが飛び交っています。
使い方は簡単で、Googleの検索に病院名を入力するだけです。そうすると、検索結果の上部にGoogleマップと連動して病院名が表示されるので、レビューの星をクリックすれば口コミを見ることができます。口コミ以前にレビューの星の数があまりにも低いようなら要注意です。
もちろん、一部の悪徳業者が低評価をつけて工作している可能性もあります。しかし、「全く目も見ず診察された」や「ろくに情報を聞き出さないうちに症状を決めつけられた」、「笑いながら『なんで来たの?』と軽くあしらわれた」など、患者のリアルな声だと思うと無視できません。口コミの内容が賛否両論ならまだしも、悪評しかついていない病院はヤバイのです。
ドクターは病気を治して当たり前という過大な期待を持つ患者が多いのもわかりますが、患者の足りない見識を理由に体よくあしらうドクターもまずいのです。一度生まれたネガティブな感情はすぐには消えません。
患者のことをどのように扱っているのか、ドクターの本音が見抜けない場合は、病院口コミで確認してみるのも一つの手かもしれません。そのにこやかな笑顔の下に、居丈高な「お医者様」の素顔が眠っている可能性があります。
「行ってはいけない病院」は必ずボロを出している…?
コンプライアンスが厳しく問われる現代で、規制を守ることは当たり前です。むしろ命を預かるドクターだからこそ厳しく見られるのです。広告規制とはいえ、その対応が遅れている場合は、経営者としての危機感が足りていない証拠でもあります。
また、どんなにきれいごとを並べ立て、表面を取り繕ったとしても、その本質は隠しきれません。外部サイトに悪評が自然と沸いて出るような病院は信用してはいけません。
「行ってはいけない病院」は、Webサイトの情報量の少なさや、口コミの悪評などから必ずボロが出ます。自身、家族、そして大切な人を守るため、確かな知識や情報で武装して、いいドクターや病院を見つけてほしいと切に願います。
佐藤 大記
株式会社幻冬舎ウェブマ 代表取締役社長