今回は、米国株のダウ採用銘柄のひとつ、「プロクター&ギャンブル」の企業情報を見ていきます。※本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2018年夏号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

一般消費財の売上規模は世界トップクラス

【消費財大手】

一般消費財の売上規模で世界トップクラス。ヒット商品として、紙おむつの「パンパース」、生理用ナプキンの「ウィスパー」、衣料用洗剤の「アリエール」、食器洗い用洗剤の「ジョイ」、消臭剤の「ファブリーズ」、髭剃りの「ジレット」、電気髭剃りの「ブラウン」、ヘアケア用品の「パンテーン」や「ヴィダルサスーン」、「h&s」、化粧品の「SK-Ⅱ」などがある。

 

事業リストラを加速し、2012年に「プリングルズ」事業を売却した。14年にはペットケア事業から撤退。16年にはバークシャー・ハサウェイへ電池事業を手掛けるデュラセル社を譲渡したほか、コティに美容ブランド事業の一部を売却した。

前年同期比より売上高が伸びる一方、純利益が減少

【足元動向】

第3四半期(1~3月)は売上高が前年同期比4.33%増の162億8100万ドルに伸びる一方、純利益が同0.43%減の25億1100万ドルに縮小した。希薄化後EPS(2.15%増の0.95ドル)は市場予想(0.950ドル)と一致。売上高は市場予想(162億1100万ドル)を上回った。

 

増収の要因は、出荷量の伸び(増収寄与度1%、既存事業ベースでは同2%)や商品構成の改善(同1%)、為替変動によるプラス影響(同4%)。これらが価格下落の悪影響(同マイナス2%)をカバーした。ただ、全体の営業利益は1.90%減の32億9600万ドルとマイナス成長。売上原価と販管費の伸び(それぞれ6.47%、5.28%)が増収ペースを上回るなか、営業マージンが1.30ポイント悪化している。

 

リストラ費用の増加分と税制改革の影響を除いた場合、調整後の希薄化後EPS(コアEPS、非GAAP)は4.16%増の1.00ドルと市場予想(0.984ドル)を上回った。会社側は18年売上高(既存事業ベース)の従来予想(2~3%増)を継続したものの、同レンジの下限に近づくと予想。コアEPSは6~8%増を見込む(従来予想:5~8%増)。

 

 
米国株四半期速報 2018年夏号

米国株四半期速報 2018年夏号

亜州IR株式会社編集

亜州IR株式会社

本書では、日本の証券会社を通じて売買できる225銘柄を収録し、そのうち180銘柄は事業の概要や財務の状況、業績の推移などを可能な限り詳しくご紹介しています。米国株の取引や研究に有効な一冊です。

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