今回は、米国株のダウ採用銘柄のひとつ、「ファイザー」の企業情報を見ていきます。※本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2018年夏号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

同業大手のワイスを買収、製薬会社世界最大手に

【製薬大手】

循環器系、中枢神経系、筋骨格系、ワクチンなどの新薬開発を手がける。高脂血症治療薬「リピトール」、疼痛治療薬「リリカ」や関節リウマチ治療薬「エンブレル」、乳がん治療薬「イブランス」、静脈血栓塞栓症治療薬「エリキュース」の売上規模は、医薬品で世界トップクラスを誇る。

 

2009年に同業大手のワイスを買収し、製薬会社として世界最大手の地位を確立。その後、12年に幼児向け栄養食事業をネスレに売却、13年には動物薬事業をゾエティスとしてスピンオフした。一方、14年にイノファーマ、15年にホスピーラ、16年に前立腺がん治療薬の米バイオ医薬大手メディベーションを買収して業容を拡大している。

前年同期比に比べ、売上高・純利益ともに増加

【足元動向】

第1四半期(1~3月)は売上高が前年同期比0.99%増の129億600万ドル、純利益が同14.09%増の35億6100万ドルに伸びた。希薄化後EPS(0.59ドル)は市場予想(0.56ドル)を上回ったものの、売上高は予想(131億4100万ドル)を下回る。

 

部門別の売上高は、エッセンシャル・ヘルス(EH)が5.35%減の50億7700万ドルに落ち込む半面、イノベーティブ・ヘルス(IH)が5.58%増の78億2900万ドルに伸びた。地域別の売上高は、米国が5.45%減の62億7500万ドルに縮小したが、海外が7.96%増の66億3100万ドルに拡大している。

 

全体の継続事業の税引き前利益は、4.45%増の41億2700万ドルに拡大している。買収関連費用などを考慮した場合、調整後の純利益(非GAAP)は11.35%増の46億6800万ドル、調整後の希薄化後EPS(同)は0.77ドルとなる(市場予想は0.745ドル)。会社側は18年通期の業績に関し、売上高を535億~555億ドル、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)を2.90~3.00ドルと予想した。

 

 
 
米国株四半期速報 2018年夏号

米国株四半期速報 2018年夏号

亜州IR株式会社編集

亜州IR株式会社

本書では、日本の証券会社を通じて売買できる225銘柄を収録し、そのうち180銘柄は事業の概要や財務の状況、業績の推移などを可能な限り詳しくご紹介しています。米国株の取引や研究に有効な一冊です。

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