今回は、米国株のダウ採用銘柄のひとつ、「ナイキ」の企業情報を見ていきます。※本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2018年夏号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

ナイキのほか「コンバース」など複数ブランドを保有

【スポーツ用品大手】

スポーツ用シューズ、ウエアの世界大手。「ナイキ」のほか、スニーカーの「コンバース」など複数ブランドを保有するが、「ナイキ」の売上比率が9割超を占めている。卸売りが中心だが、小売りにも注力。「ナイキ」のファクトリー・ストアや「コンバース」などの直営店舗として、米国内で384店舗、米国外で758店舗を展開する(2017年5月末時点)。

 

12年にスポーツ用品の「アンブロ」、13年に紳士靴の「コールハーン」を売却した。13年にダウ平均の構成銘柄に採用。15年には1株→2株の株式分割を実施している。

売上高は上向くが、税制改革の影響などで純損益は赤字

【足元動向】

第3四半期(17年12月~18年2月)は売上高が前年同期比6.54%増の89億8400万ドルに上向く一方、税制改革の影響などで純損益が9億2100万ドルの赤字に転落した(前年同期は11億4100万ドルの黒字)。税制改革を考慮した調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は0.68ドル。売上高、同EPSともに市場予想(それぞれ88億5100万ドル、0.529ドル)を上回る。

 

北米の苦戦を海外販売がカバー。地域別の売上高は、主力の北米が5.57%減の35億7100万ドルに縮小する一方、欧州・中東・アフリカが19.42%増の22億9900万ドル、中華圏が24.27%増の13億3600万ドル、アジア太平洋・ラテンアメリカが13.01%増の12億6800万ドルに伸長している。

 

ブランド別の売上高は、ナイキが7.21%増の84億9500万ドルに上向く半面、コンバースが3.01%減の4億8300万ドルと低調だった。粗利益率の低下や費用増で利益は低迷。為替のマイナス影響などで、全体の粗利益率は44.5→43.8%に低下した。また、スポンサー費用などの需要喚起コストや営業コストの増加が響き、税引き前利益は12.39%減の11億5900万ドルに縮小している。

 

 

※売上構成、地域別売上構成はコーポレートを除いて算出

※地域別売上構成の合計値は100.1%

米国株四半期速報 2018年夏号

米国株四半期速報 2018年夏号

亜州IR株式会社編集

亜州IR株式会社

本書では、日本の証券会社を通じて売買できる225銘柄を収録し、そのうち180銘柄は事業の概要や財務の状況、業績の推移などを可能な限り詳しくご紹介しています。米国株の取引や研究に有効な一冊です。

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