抗がん剤「キイトルーダ」を米食品医薬品局が承認
【医薬品大手】
処方薬やワクチン、動物向け製品の開発、製造・販売を手掛け、世界140カ国以上で展開している。ドイツで設立されたメルク(Merck KGaA)を前身とするが、第一次大戦中に米政府が同社の国内拠点を敵国企業として接収し、米国企業として再出発させた。2014年、米食品医薬品局(FDA)から不眠症治療薬「ベルソムラ」と抗がん剤「キイトルーダ」が承認された(キイトルーダは肺がん患者向け「ブレークスルー(画期的新薬)」に指定)。同年、眼科製品事業を参天製薬に売却した。
売上高、希薄化後EPSはともに市場予想を下回る
【足元動向】
第1四半期(1~3月)は売上高が前年同期比6.39%増の100億3700万ドルに伸びる一方、業務提携に絡む特殊要因で純利益が同52.54%減の7億3600万ドルに落ち込んだ。売上高、希薄化後EPS(0.27ドル)はともに市場予想(それぞれ101億500万ドル、0.70ドル)を下回る。部門別の売上高は、主力の製薬が8.96%増の89億1900万ドル、アニマルヘルスが13.41%増の10億6500万ドルに伸びた。
主要薬品の売上高は、主力のがん治療薬「キートルーダ」が150.68%増の14億6400万ドルと急拡大したほか、糖尿病薬「ジャヌビア/ジャヌメット」が6.66%増の14億2400万ドル、子宮頸がんワクチン「ガーダシル/ガーダシル9」が24.06%増の6億6000万ドルに伸びている。全体の税引き前利益は32.85%減の13億4500万ドルに縮小した。
調査・開発コスト(74.64%増の31億9600万ドル)がかさんだことが重し。エーザイとのコラボレーション費用として約14億ドルを計上したことなどが要因だ。同要因や買収・売却関連費用などを考慮した場合、調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は19.31%増の1.05ドルとなる(市場予想:0.998ドル)。
※売上構成、地域別売上構成の合計値は99.9%