今回は、米国株のダウ採用銘柄のひとつ、「マクドナルド」の企業情報を見ていきます。※本連載は、亜州IR株式会社が編集・発行した書籍『米国株四半期速報 2018年夏号』の中から一部を抜粋し、米国株の基礎知識とダウ採用30銘柄に選ばれた企業情報を15社ご紹介します。

経営合理化に踏み出したファストフード大手

【ファストフード大手】

ファストフードチェーン「マクドナルド」を展開する。ハンバーガーを中心に、フライドポテトや飲料を提供。店舗総数は120カ国で3万7241店に上り(直営店が3133店、フランチャイズ店が3万4108店)、カフェ形態の「マックカフェ」やドライブスルー店も運営する(2017年12月末時点)。

 

2015年には、地域管理体制の強化やフランチャイズ比率の引き上げなどを通じた経営合理化計画を打ち出した。従来の地域別から、米国市場、国際リード市場、高成長市場、ファウンデーション(基礎的)市場に管理区分を変更している。

再フランチャイズ化の進展により利益が伸長

【足元動向】

第1四半期(1~3月)は売上高が前年同期比9.46%減の51億3890万ドルに縮小する一方、純利益が同13.22%増の13億7540万ドルに拡大した。特殊要因を考慮した調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は1.79ドル。売上高、同EPSともに市場予想(それぞれ49億6800万ドル、1.672ドル)を上回る。

 

来店客数が上向く中、全体の既存店売上高は5.5%増と好調。地域別の既存店増収率は、主力の米国が2.9%(メニュー価格の引き上げが奏功)、国際リード市場が7.8%(ドイツ、英国がけん引)、中国を含む高成長市場が4.7%、ファウンデーション市場が8.7%となっている。

 

再フランチャイズ化をすすめる中、全体では減収が継続。出店形態別の販売収入は、フランチャイズが14.98%増の26億330万ドルに拡大する一方、直営店が25.68%減の25億3560万ドルに縮小した。全体の営業利益は5.36%増の21億4310万ドル。再フランチャイズ化の進展により、直営店運営コストが抑制されたことで利益が伸長した。地域別の営業利益は、米国と国際リード市場がそれぞれ5.28%、21.46%ずつ伸びている。

 

 

 

※国際リード市場(オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、英国など)

※高成長市場(中国、イタリア、韓国、ポーランド、ロシア、スペイン、スイス、オ
ランダなど)

米国株四半期速報 2018年夏号

米国株四半期速報 2018年夏号

亜州IR株式会社編集

亜州IR株式会社

本書では、日本の証券会社を通じて売買できる225銘柄を収録し、そのうち180銘柄は事業の概要や財務の状況、業績の推移などを可能な限り詳しくご紹介しています。米国株の取引や研究に有効な一冊です。

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