
前回は、筆者が新たなスポンサーを探すために温めていた投資アイディアを紹介した。今回は、その投資アイディアに興味を示した「ジョージ・ソロス」氏について見ていく。
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市場価格は参加者の誤った認識によって動き続ける!?
ジョージ・ソロスは、市場経済の時代が生んだ最強の投資家としてその名を歴史に刻むインベスター(投資家)である。ソロス氏は、資本市場において参加者の認識と価格の間の相互作用性に着目し、そこに生まれる差異の拡大と縮小のプロセスに投資機会を見出した。
市場における価格は参加者の自由な意志によって決まる均衡点であり、市場は常に正しいとする考えを否定した。そして、価格は、参加者の誤った認識によって動き続けるムービング・ターゲットだとし、市場は常に間違っていると断定した。誤った価格が参加者の誤った認識を強化する自己強化のプロセスでブームが始まり、誤った価格が行き過ぎて認識が是正される時にバスト(急落)が起こる、というのがソロス氏の投資の基本的フレームワークだ。
「成り上がりのファンド・マネジャー」という評も
そんなジョージ・ソロス氏だが、筆者が出会った1985年は、まだ世界的に著名な人物というわけではなかった。もちろんウォール街では有名だったが、今のようにヘッジファンドが巨大インダストリーとして市民権を得ていたわけではなく、大手の金融機関や証券会社などからはやや軽く見られていたところもあった。
例えば、アメリカには金融業界の専門雑誌として「インスティチューショナル・インベスター(Institutional Investor:機関投資家)」という月刊誌がある。イギリスの「ユーロマネー」と双璧をなす金融業界のブランド誌であるこの雑誌で、1981年にジョージ・ソロスが表紙に掲載されたことがある。そのカバー・ストーリーのタイトルが「TheGreatest Money Manager In The World(世界最強の投資家)」だった。
記事は次のように始まった。「ジョージ・ソロスには損を出した年がない。そして成功した年には莫大な収益を上げた。これは、過去10年間、資産運用の流行に乗って儲け、その過程で1億ドルに及ぶ個人資産をつくった男の物語だ」。この記事の行間に込められた当時のソロス氏の評価は必ずしも尊敬と称賛というものではなく、投機的手法で多額の個人的利益を稼ぐ、成り上がりのファンド・マネジャーというニュアンスだった。
余談だが、それから20年近く経った2003年、スパークス・グループの代表として筆者も、この「インスティチューショナル・インベスター」誌の表紙に登場することになった。カバー・ストーリーのタイトルは「Rockin’ JAPAN:Shuhei Abe’s hedge fund, Sparx, hitsall the right notes in Tokyo(日本を揺るがす:阿部修平のヘッジファンド、スパークスは東京に正しい調べを鳴り響かせる)」だった。筆者の趣味である音楽と、スパークスの投資判断の正確さをもじったものだ。
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