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中小企業の買収…「M&Aアドバイザー」を選ぶ際の留意点

今回は、中小企業の買い手が「M&Aアドバイザー」を選ぶ際の留意点を見ていきます。※本連載では、一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事・会長の大原達朗氏、専務理事・事務局長の松原良太氏、理事の早嶋聡史氏が「M&Aアドバイザー」との付き合い方について解説します。

買取希望の「業界」に特化したアドバイザーを選ぶ

前回の記事(関連リンク参照)では、中小企業の売り手が「M&Aアドバイザー」を選ぶ際の留意点を見ていきました。今回は、買い手側にとっての留意点を解説していきます。

 

まず、M&Aアドバイザーに支払う報酬についてですが、前回解説した売り手側にとっての留意点が、そのまま買い手側にもあてはまります。

 

詳細は、前回の解説をご参照いただきたいのですが、主要な留意点として下記の3点を改めてご説明したいと思います。

 

(1)最低報酬の額に留意

(2)報酬を支払うタイミングに留意

(3)取引金額が何を指すのかに留意

 

簡単におさらいをしておきましょう。

 

(1)最低報酬の額に留意

ほとんどのM&Aアドバイザー会社は、最低報酬額を決めています。大手のM&Aアドバイザー会社、銀行などは、最低報酬額を1,000万円から2,000万円くらいで定めているところが多いようです。M&Aの取得価格に比べて報酬額が大きくなりすぎないように、ご自身のM&Aの買収予算とのバランスを考えて、M&Aアドバイザー会社を選択するようにしましょう。

 

(2)報酬を支払うタイミングに留意

M&Aアドバイザー会社によって、報酬が発生するタイミングが異なります。完全成功報酬制の会社もあれば、着手金の支払い、情報提供時に報酬発生など細かな請求を設定している会社もあります。予想もしないタイミングで支払いを請求されないように、事前確認が必要です。

 

(3)取引金額が何を指すのかに留意

一般的に、報酬は取引金額にある一定の料率を乗じて算定されます(例として、前回のレーマン方式を参照してください)。この取引金額の決定方法も、M&Aアドバイザー会社によって違いがありますので、何に料率を乗じるのかも事前確認が必要です。

 

以上が報酬に関する留意点です。では、どのくらいの数のM&Aアドバイザー会社に買収の相談をしたらよいのでしょうか。

 

結論からいうと、できるだけ多くのM&Aアドバイザー会社に買収の相談(売却案件の紹介)をしましょう。M&Aアドバイザーの会社、あるいは担当者によって、業界の得手不得手があり、ネットワークの分野、ルート、量、質などは各々異なります。

 

一般的には、信頼できる相談(依頼)先の数が多いほど、希望する案件に出会える可能性は高まるといえるでしょう。ただし、売り手側にとっては、依頼先を限定的にしたほうが有利なので注意が必要です。

 

とはいえ、やみくもに数十社のM&Aアドバイザーに依頼するのも、効率がよいとはいえません。数社に絞るやり方として、依頼先候補であるM&Aアドバイザーのトラックレコード、得意分野などを確認します。

 

一般論として、サービス業と製造業両方に精通し、ネットワークを有しているM&Aアドバイザーは多くありませんので、買収を希望する業界に強いM&Aアドバイザーを選ぶようにしましょう。そういう意味では、業界特化型のM&Aアドバイザー会社は増える傾向にありますので、買収希望の業界に特化したM&Aアドバイザーを探すのもよいかもしれません。

複数の業者で迷ったときは「ソーシング力」で決める

業界に強いアドバイザーが複数見つかった場合、次は何をしたらよいでしょうか? もちろん、そのアドバイザーがもっている案件数は大切なのですが、実はそれ自体はそこまで重要ではありません。

 

M&Aは物販ではなく、「生きもの」である事業、企業を取り扱います。買い手が希望する案件を首尾よく保有しているということはありません。買い手のオーダーに応じて、案件をソーシング(探索)することになるのが一般的です。

 

ここで重要になるのが、ソーシング力です。もう少し分かりやすくいうと、ソーシングのバラエティということになるでしょうか。どのようなルートや方法で、買い手が希望する案件をソーシングするのか、コストの有無を含めて確認しましょう。

 

M&Aアドバイザーのなかには、買い手にあったオーダーメイドのソーシングを提案してくれるところもあります。M&Aアドバイザーに依頼したらすぐに、希望するM&A案件が見つかるということはまれで、通常ある程度の時間が必要です。M&Aアドバイザーには、継続的にソーシングをしてもらう必要があります。

 

しかしながら、M&Aアドバイザーは多くの買い手から買収希望の依頼を受けています。1人のM&Aアドバイザーで請け負っている数が多すぎるために、買い手の希望が忘れられる可能性もあります。そんな状況のなか、継続的にM&Aアドバイザーにソーシングしてもらうにはどうすればよいでしょうか?

 

それは、M&Aアドバイザーに定期的な連絡をすることです。連絡の方法は、電話でも、メールでも、face to faceでも構いません。希望条件の変更があるなしにかかわらず、定期的な連絡をいれることで、あなたの希望を忘れないようにさせるのです。

 

筆者の買い手顧客にも、上記のように定期的に買収希望の連絡をくださる方がおりますが、事実、その方の買収希望は完全に私の中に刷り込まれています。

 

最後に、一連の流れをまとめます。

 

●報酬(額、方法)

●買収希望の業種・業界に対する、M&Aアドバイザーのナレッジとレコード

●ソーシングのバラエティ

 

上記3点が中小企業の買い手が「M&Aアドバイザー」を選ぶ際の留意点であり、

 

●定期的に依頼したM&Aアドバイザーにコンタクト

 

をすることで、継続的に案件のソーシングをしてもらえるようになるでしょう。

 

 

松原 良太

一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会 専務理事/事務局長

一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会 専務理事/事務局長
株式会社ビザイン 代表取締役
株式会社エクステンド 取締役 

【所属団体】
一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会 (JMAA)
【資格】
JMAA認定M&Aアドバイザー (CMA)
【著書】
「この1冊でわかる! M&A実務のプロセスとポイント」

著者紹介

連載会社の売買を成功に導く「M&Aアドバイザー」との付き合い方

 

 

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