リタイア後もお金に困らず豊かに暮らすためには、「3RICH」と言われる①マネーリッチ(経済的余裕)、②タイムリッチ(時間的余裕)、③マインドリッチ(精神的余裕)を実現する必要があります。連載第1回目は、「3RICH」を目指す上で押さえておくべきポイントを見ていきます。

「ファイナンシャルゴール」を設定し、収入転換を図る

私は、①マネーリッチ(経済的余裕)、②タイムリッチ(時間的余裕)、③マインドリッチ(精神的余裕)といった3つの「リッチ(RICH)」の実現を提唱しています。「3RICH」を実現してこそ、本当の意味での悠々自適なリタイアが可能になるのです。

 

本連載では、こうした3RICHを目指した資産形成の方法について、事例と共に紹介します。もともとは将来の資産形成に悩みを抱えていた方ばかりですが、ファイナンシャルゴールを設定し、収入転換を図ることで、現在は着実に資産形成を実現しています。

 

一方、相談に来られた開業医のなかには、コンサルティングをお断りさせていただくケースなどもあります。ひとつは、資産が少ないにもかかわらず借入が大きいタイプ。たとえば、新しい設備などを次々に投入するために事業ローンが大きく膨れ上がってしまっているなど、そもそも医院経営に問題があってきちんと利益を出せていないケースです。

 

まだ、その方が30代や40代前半であれば、なんとか間に合うかもしれませんが、すでに50代後半といった場合は、お断りさせていただくことがありました。その年齢から医院経営の失敗を分析して修正するだけでも、かなりの時間と労力がかってしまうためです。

 

あるいは、リタイアの年齢に達してもまだファイナンシャルゴールが見えて来ないことも考えられます。対策は早ければ早いほどいいに越したことはありません。あらためて、その意味を考えてください。

 

もうひとつの「お断りするケース」は、何もかもご自分でやられるタイプの方です。株式の個別銘柄投資はもちろん、不動産投資や海外口座運用など、知識もスキルもあって、なおかつご自分ですべてやらないと気が済まない。こんな方には、資産形成のパートナーは必要ありません。

対策は「開業後の年数」を基準に検討する

また、途中でゴールの修正を余儀なくされる方もいます。たとえば、2人の子供がいる開業医のケースです。第1子は文科系の法学部に進んで大学院に行くことになっていました。そのため、第2子が医院を継ぐことになっており、医学部の教育費の準備はひとり分のみとして進めていたのです。

 

ところが、第1子が法学部の大学院を卒業したとたん「やっぱり医師になる」と宣言、大きく方向転換を図り、私立大学医学部にも合格しました。

 

そのため、慌てて2人分の教育費が必要になってしまったのです。その方の場合は、ゴールの時期を少し後回しにすることで解決しましたが、人生には何があるか分かりません。今、出来る限りの将来の予測に対して、対策をしておくことが、理想の資産形成を達成していくうえで重要になります。

 

ステージというのは、あくまでも開業後の年数です。従って、なかにはステージ1の段階で40代後半という方もいらっしゃいますし、相当の預貯金や不動産をすでにお持ちの方もいらっしゃいます。

 

しかし、そういった方でも、リタイア後のキャッシュフロー(収入)についてはあまり考えていない場合が多いため、やはりそのステージに沿ったプログラムが必要になります。

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    本連載は、2015年8月4日刊行の書籍『開業医のための資産形成術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    開業医のための資産形成術

    開業医のための資産形成術

    恒吉 雅顕

    幻冬舎メディアコンサルティング

    かつて開業医は、勤務医より圧倒的に収入が多く、リタイア後の悠々自適な生活を保障されていたことから、将来安泰な職業だと言われていました。しかし今、税制改革による富裕層への増税や、2025年問題へ向けた医療制度改正によ…

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