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相続対策として「小規模企業共済」の活用が有効な理由

今回は、「小規模企業共済」の活用について解説します。※本連載では、「不動産オーナーを支援する税理士の会」の著書で、株式会社エッサム編集協力、渡邊浩滋総合事務所代表の渡邊浩滋税理士・司法書士が監修した『賃貸経営でお金を残す! 不動産オーナーの儲かる節税』(あさ出版)から一部を抜粋し、賃貸経営の「法人化」により、節税メリットを得る方法を紹介します。

節税しながら修繕費を積み立てるにはもってこい⁉

小規模企業共済とは、小規模の個人事業主が事業を廃止した場合、または会社の役員が退職した場合などに、それまでに積み立てた掛け金に応じて共済金を受け取れる制度です。小規模企業共済法にもとづいて、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

 

掛け金は月額1000円から7万円まで(500円単位)で自由に設定でき、全額を所得から控除できるため、節税に効果がある制度です。1年以内の前納掛け金も控除できるため、「今年は予想以上に所得が多くなってしまった」という場合などには有効な方法と言えます。

 

また、共済金を受け取る際には、受け取り方や受け取る理由などによっても異なりますが、退職所得扱い(※本書『賃貸経営でお金を残す!不動産オーナーの儲かる節税』165ページ)や公的年金等雑所得扱いになるなど、税制上優遇されています。

 

修繕費の積み立てに利用することもできます。

 

小規模企業共済は経営者の退職後の生活資金等のための制度ですから、基本的には事業を廃業した際や65歳に達した際に共済金が支払われるものですが、任意解約による解約手当金を受け取ることもできます

 

そのため、大規模修繕に備えて加入し、修繕費の支払いが多額になったときに解約することも可能なのです。解約後、再度、加入し直すこともできます。

 

節税しながら修繕費を積み立てるにはもってこいの制度と言えるでしょう。

 

*課税所得とは、総所得金額から基礎控除、扶養控除、社会保険料控除などを控除した後の額で、課税の対象となる額 *税額は平成29年4月1日現在の税率に基づき、所得税は復興特別所得税を含めて計算。住民均等割は5,000円としている。 *独立法人 中小企業基盤整備機構ホームページよち複製
[図表] 小規模経済の節税効果例
*課税所得とは、総所得金額から基礎控除、扶養控除、社会保険料控除などを控除した後の額で、課税の対象と なる額
*税額は平成29年4月1日現在の税率に基づき、所得税は復興特別所得税を含めて計算。住民税均等割は5,000 円としている
*独立法人 中小企業基盤整備機構ホームページより作成

受取人を指定できないというデメリットも・・・

さらに、小規模企業共済は相続時の節税メリットもあります。

 

死亡時に相続人が共済金を受け取る場合には、死亡退職金扱いとなって相続税の対象になり、「500万円×法定相続人の数」という非課税枠があるからです。

 

この非課税枠は生命保険金とは別枠として計算できるため、生命保険金と小規模企業共済の両方に加入しておくと、ダブルで非課税枠が使えます。相続対策としては非常に有効です。

 

ただし、小規模企業共済の死亡時共済金は、受取人を指定できないというデメリットもあります。この点では、死亡保険金の受取人が指定できる生命保険とは異なるので注意が必要です。

 

というのも、2次相続の際に影響が出る可能性があるからです。

 

共済契約者が亡くなった場合、小規模企業共済の共済金の受給権順位第1位は配偶者(内縁関係者を含む)です。次に子供などの扶養家族が受け取れることになります。

 

2次相続とは、「共済契約者が亡くなって配偶者が共済金を受け取った後に、その配偶者が亡くなった」ときの相続です。配偶者が受け取った時点で、共済金は現金等になっているため、相続税が課せられる可能性が高いわけです。

 

そのため、共済金契約者の配偶者が共済金を受け取った場合は、遺産分割によって配偶者が取得する財産を少なくする、共済金を原資にして生命保険に加入する、生前贈与するなどの対策をする必要があります。

 

法人の場合、掛け金を経費として計上できるのは、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)もあります

 

経営セーフティ共済とは、取引先事業者の倒産の影響を受けて、中小企業が連鎖倒産などに巻き込まれるのを防止する制度です。加入後、6ヶ月以上過ぎた場合に、取引先が倒産して売掛金などが回収できなくなった場合、最高8000万円の共済金を受け取れるほか、一時貸付金などの制度もあります。

 

中小企業倒産防止共済法に基づいて、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

 

この経営セーフティ共済も、払い込んだ掛け金を全額、経費にできますが、これは法人のみです。個人事業の場合、事業所得での掛け金は必要経費にできますが、不動産所得などでは計上することができないことに注意が必要です

 

経営セーフティ共済に加入するなら、法人のほうが節税に有利と言えるでしょう。

 

 

 

渡邊 浩滋

税理士・司法書士渡邊浩滋総合事務所代表 税理士

司法書士

宅地建物取引士

税理士・司法書士渡邊浩滋総合事務所代表 税理士
司法書士
宅地建物取引士

1978年、東京都江戸川区生まれ。明治大学法学部卒業。税理士試験合格後、実家の大家業を引き継ぎ、空室対策や経営改善に取り組む。大家兼業税理士として悩める大家さんのよき相談役となるべく、不動産・相続税務専門の税理士法人に勤務。退職後、2011年12月、同事務所設立、現在に至る。司法書士の資格を活かし、不動産のスペシャリストとして税務だけでなく法律面の観点からもトータル的なアドバイスを提供。
『「税理士」不要時代』(幻冬舎)、『相続対策の常識ウソ?ホント?』『大家さん必携!ライフサイクルから考える賃貸経営の税務Q & A』(ともに清文社)、『大家さんのための超簡単!青色申告』(クリエイティブ ワークステーション)など著書多数。

渡邊浩滋総合事務所 http://www.w-sogo.jp/

著者紹介

あわの税理士事務所/相続財産相談室いばらき  税理士

不動産の収入に対する税金、保有する不動産に対する税金を、税理士の立場から現状分析し、将来のための対策を提案。

著者紹介

根岸会計事務所  税理士

会計事務所に勤務しながら、2015年に2棟目、2016年に2棟、合計4棟の収益不動産を購入。2017年4月に不動産投資家向けに根岸会計事務所を開業。税理士としての視点だけでなく、不動産投資家としての視点でも顧客をサポート。

著者紹介

小金澤・渋谷税理士事務所  税理士・事業再生アドバイザー

不動産税務及び相続税に関する総合的なサポートに対応する為、弁護士・司法書士・行政書士等の各専門家と協力し合い、ワンストップで解決。税務署出身の税理士とも業務提携をしており、複雑な税務処理についても迅速に対応する。

著者紹介

ソラいろ会計事務所  公認会計士・税理士

不動産業者の言いなりに物件を買ってしまい、その結果、失敗した不動産投資家に数多く遭遇。「失敗した投資家をこれ以上世の中に出したくない」という想いから、不動産オーナーのサポートに専門特化した会計事務所を始める。

著者紹介

阿久津公一税理士事務所  税理士

不動産業界出身の不動産建設投資、不動産管理会社の設立・運営・相続対策に特化した会計事務所を運営。所得や資産はあるのにキャッシュ不足に苦しむ中小企業経営者のため、お金の流れる仕組を変える事で個人のキャッシュ不足を改善する。

著者紹介

田中英二税理士事務所 税理士・CFP®・1級FP技能士

2004年「身近な相談相手」をモットーに田中英二税理士事務所を開業。事務所は相続を専門におこなっており、生前対策である相続コンサル ティングにも力をいれている。また、金融機関・ハウスメーカー等でセミナー・個別相談会も随時実施し、好評を得ている。

著者紹介

山本愉章税理士・社会保険労務士事務所  税理士・社会保険労務士

平成12年に大阪国税局入局後、財務省主税局で税法の企画・立案、税務大学校研究科で論文を発表するなど国税の中枢を経験。平成25年に税理士試験、平成26年に社会保険労務士試験に合格後、平成27年に国税当局を早期退官し、開業。国税当局の調査手法や思考回路を熟知し、希少なサービスを提供している。

著者紹介

宮﨑健税理士事務所 税理士

平成6年税理士登録後、宮﨑健税理士事務所開設。キャッシュフローの改善や節税対策などベストな対策を提案。

著者紹介

宇賀会計事務所 税理士・㈱プラウドサポート代表取締役

国税局・税務署で35年間、主に法人税調査に従事。2015年に退職、税理士登録後、会計事務所を開設。2016年に不動産賃貸、管理会社の代表取締役に就任。専門分野は、税務調査対応だが、自ら不動産オーナーという立場で、土地や賃貸物件などの不動産のオーナー等をサポート。

著者紹介

相続・贈与相談センター®南森町駅前支部(運営:江本誠公認会計士・税理士事務所)  公認会計士・税理士・行政書士・CFP®

相続対策・節税対策・キャッシュフローの改善(経費削減含む)などベストな対策を提案する。

著者紹介

枡田宗利税理士事務所 税理士・MBA

主に税に関する無料相談を行っている。利益の出る会社、お金に苦労しない安定した会社を目標に、顧客とともに成長できるようなWin-Winの関係の構築を目指す。

著者紹介

末吉税理士法人/末吉FP支援法人 代表社員

信託銀行との提携による遺産整理業務支援、地方銀行、信用金庫との提携による相談業務支援、年間200回以上の銀行主催による講演を行うなど、銀行系税理士の本格派として多くの金融機関から支持されている。京都四条烏丸、阪急梅田、東京品川に拠点を配置し、機動的に顧客の問題解決に努めている。

著者紹介

伊東税理士事務所 税理士

「会計を身近に!」がモットー。分かりやすく、親しみやすい業務、中堅・中小企業家の経営を一生懸命サポートすることを通じて、地域経済発展の一助になりたいと考えている。 顧客ごと、それぞれの業種業態に応じた個別の財務分析を行い、経営の役にたつように努める。

著者紹介

中央シティ税理士法人 税理士・特定行政書士・MBA・登録政治資金監査人

都市銀行役員、総務大臣政務官秘書、参議院外交防衛委員長秘書を経て、NFG 西日本ファイナンシャルグループを設立。神奈川工科大学大学院講師、国立筑波技術大学講師、早稲田大学総長室代議員。日本で単独第1 号の内閣総理大臣宛の「内部統制報告書」(J-SOX)を完成。『企業経営学』他、著書多数。

著者紹介

宮川公認会計士・税理士事務所 公認会計士・税理士

不動産オーナー・法人経営者や不動産の相続人を対象に「不動産の税金お悩み相談室@福岡天神」を開設。会計・税金のことから、不動産経営の黒字決算や法人化、節税対策まで不動産に強い税理士が初回無料で相談対応。

著者紹介

連載本当にお金を残せる賃貸経営~「法人化」で節税メリットを得る方法

 

賃貸経営でお金を残す!  不動産オーナーの儲かる節税

賃貸経営でお金を残す! 不動産オーナーの儲かる節税

渡邊 浩滋,粟野 淳一,根岸 大助,小金澤 誠,野末 和宏,阿久津 公一,田中 英二,山本 愉章,宮﨑 健,宇賀 一夫,江本 誠,枡田 宗利,末吉 英明,伊東 正智,南村 博二,宮川 英之

あさ出版

人口減少社会に加えて、相続税の大増税により、賃貸物件は供給過多状態にあります。不動産オーナーにとっては厳しい冬の時代。そんな時代でオーナに必要なのは経営的視点と正しい節税の知識です。本書は賃貸経営の現状から、各…

 

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