失業率は低下、雇用者数、賃金は緩やかに増加

良好な内容だった米国の雇用統計(2018年7月)/デイリーマーケットレポート

三井住友アセットマネジメント株式会社 調査部
失業率は低下、雇用者数、賃金は緩やかに増加

本連載は、三井住友アセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

雇用者数は15.7万人増

雇用の基調は強い

 

■2018年7月の非農業部門雇用者数は、前月比15.7万人の増加となりました。

 

■ブルームバーグ集計による市場予想の同19.3万人増には届きませんでしたが、過去2カ月の雇用者数が合計で5.9万人ほど上方修正されたことを踏まえると、実質的には上振れだったと判断されます。

 

■月毎の振れを均すため、3カ月移動平均をとると、同22.4万人増となります。雇用情勢は極めて良好といっても、差し支えないでしょう。

 

非農業雇用者数の推移(前月比増減)

(注)データは2016年1月~2018年7月。    非農業雇用者数は3カ月移動平均ベース。 (出所)米国労働省のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2016年1月~2018年7月。
   非農業雇用者数は3カ月移動平均ベース。
(出所)米国労働省のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

失業率は低下

賃金は引き続き緩やかな増加

 

■失業率は前月の4.0%から3.9%に低下しました。労働力人口(労働供給)は増えましたが、それを上回るペースで就業者数(労働需要)が増えたためです。

 

■一方、賃金は前月比0.3%増、前年同月比では2.7%の増加となりました。失業率の低下が示す通り労働需給は引き締まってきています。今後も賃金は、増加を続ける見込みです。

 

賃金上昇率と失業率

(注)データは2016年1月~2018年7月。 (出所)米国労働省のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注)データは2016年1月~2018年7月。
(出所)米国労働省のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成

 

 

米連邦準備制度理事会(FRB)は漸進的な利上げを継続へ

 

■雇用統計が公表された8月3日の米国市場では、7月の雇用者数や、同月のISM非製造業指数が市場予想を下回ったこと等から、債券利回りが低下(債券価格は上昇)しました。一方、株式市場は、同月の雇用統計を、「労働市場の安定を示すものであり、FRBの漸進的な利上げ方針と整合的な内容」と評価。よって株価は、上昇しました。

 

■米景気・雇用が順調に拡大しているため、FRBは今後も継続的に政策金利を引き上げていくと予想されます。利上げの着地点としては、中立金利(景気を刺激も抑制もしない金利の水準)とみなされる3%が、ひとつの目処になると考えられます。FRBは、この3%に向けて、四半期に1回程度の緩やかなペースで利上げを進める見通しです。

 

(2018年08月06日)

 

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2018年7月30日 急加速した米国のGDP成長率(2018年4-6月期速報値)

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