セキュリティが高く女性も安心して住める「RC造」
次に、問題となるのは建物の構造ですが、ベストはやはり鉄筋コンクリート構造、すなわち「RC造」でしょう。
まず、RCマンションは構造上、気密性が高く、音や振動が伝わりにくいので、木造のように、冬のすきま風に凍えるような思いをすることも、うるさい騒音に悩まされることもありません。
セキュリティもRC造の方が上です。特に女性は、住まいを選ぶ際に防犯上の要素を非常に重視します。そのため、女性にアピールする住まいづくりという観点からは、木造の物件よりも優位に立てます。
また、こうした優位性があることから、木造物件に比べて、家賃を高く設定することが可能です。しかも、通常、木造が2階建て以下の低層となるのに対して、RCマンションは3階建て以上の中高層が一般的であるため、より多くの戸数を設けられます。つまり、より多額の家賃収入を得られるわけです。
さらに、RC造は耐用年数が長いことから、金融機関からの借入期間を長く設定できるため、月々の返済の負担を軽減することが可能となります。
このように、月々の家賃収入は大きい一方で、毎月の返済額は小さいため、必然的に、キャッシュフローは大きくなるはずです。将来、物件を売却する場合にも、RCマンションは木造に比べると、資産価値が高く評価されます。
そのうえ、RCマンションは頑強で、耐震性に優れています。「地盤が強いエリア」+「RCマンション」の組み合わせは、震災リスクを懸念する入居希望者に対しては大きな安心感をもたらす格好の宣伝材料となるはずです。
ワンルームマンションなら空室リスクを最小化できる
新築RCで一棟型マンションを建てると決めたとしても、もうひとつ検討しなければならないことがあります。すなわち、「ワンルームマンション」と「ファミリー向けマンション」のどちらが望ましいのかという点です。
不動産投資では、物件の収益率を最大限に高めることが求められます。そのような観点から見た場合は、同じ面積でより多くの部屋をつくれるワンルームマンションを選択することが合理的です。
また、空室リスクを回避するという観点からも、ワンルームマンションの方が優れています。
たとえば、延べ床面積320㎡のマンションに、ファミリーの入居者を想定して80㎡、家賃25万円の部屋を4戸つくったAさんと、同じ延べ床面積で、単身の入居者を想定した20㎡、家賃8万円の部屋を16戸つくったBさんを比較してみましょう。
この場合、Aさんは、1戸空いただけで、月あたり25万円分の家賃収入を失うことになってしまいます。一方、Bさんは、1戸空いても、8万円の家賃収入減にしかなりません。
このように、ファミリー向けマンションを選んでしまうと、万が一、空室ができてしまった場合に被る経済的ダメージが大きくなるおそれがあるのです。
賃貸市場のトレンド的に見ても、ワンルームの需要は安定しており、その傾向はこれからも続くはずです。未婚化、晩婚化の傾向の中で、若年層、中年層の独身者は増えていますし、今後は、それに加えて高齢者の単身者が増加することが予想されているからです。
逆に、このような背景事情は、ファミリー向けマンションへの需要減少につながるものといえるでしょう。リターンを最大化し、リスクを最小化するためには、ワンルームマンションを選ぶのが適切です。