今回は、暗号通貨の最適な「売り」のタイミングについて見ていきます。※本連載では、株式会社オファーズ代表取締役・阿部悠人氏の著書、『わかる!できる!稼げる!暗号通貨 投資のイロハ』(ゴマブックス)から一部を抜粋し、暗号通貨投資の基本をレクチャーします。

商品の価格は「需要と供給」の関係で決定する

投資の基本は「売り」と「買い」の最適なタイミングを見逃さないことです。ですが、暗号通貨への投資を行う上で「いつ売ればいいのか?」で悩む方は少なくありません。

 

では、最適な「売り」のタイミングとはいつ訪れるのでしょうか?

 

ここからは、「最適な売り」のタイミングについて考えていきたいと思います。ポイントは、「ほかのトレーダーよりも早く売る!」の一点です。

 

暗号通貨の投資で利益を確定させるためには、しっかり「買い」、必ず「売る」ことが必要です。言うまでもないのですが、ただ売るだけで大きな利益が得られることはあり得ません。「最適なタイミング」で売る必要があります。

 

ただし、明確な売りのタイミングを設けない投資方法もあります。たとえば「ドルコスト平均法」や「暴落時のまとめ買い」における超長期投資がそれにあたるでしょう。とはいうものの、ドルコスト平均法によって暗号通貨に投資するとしても、「買った」ものを未来永劫持ち続けることは起こり得ません。いつかは必ず「売る」日が訪れます。

 

言い方を換えると、買った時点で「いつ、どのようにして売るか?」などと明確に考えておく必要があるのです。

 

では改めて「最適な売りのタイミング」の「本質」について考えていきましょう。

 

そもそも「最適な売りのタイミング」とは何でしょうか? このことを考えるために、あらゆる商品の価格は「需要と供給」の関係で決定しているという事実をまず思い出してください。

 

購入したコインを売らなければならない時期とは、相場が値下がりする可能性が高くなったときです。

 

それでは、その値下がりはなぜ起きてしまうのでしょうか?

 

コインの価格は、需要と供給によって決定します。そのことを市場の売り買いに具体的にあてはめると「自分以外のほかの投資家たちが売りをぶつけてきた結果」、コインは値下がりします(言うまでもありませんが、多くのトレーダーが買いをぶつけてくれば、暗号通貨の価格は上昇します)。

 

このような「多くのトレーダーが売りをぶつけてきた結果の値下がり」という相場の動きに「最適な売りのタイミング」を考えるヒントが隠されているのです。

 

難しいことを言っているようですが、実は答は極めて簡単です。

 

「他のトレーダーよりも早く売り抜けられるタイミング」を見逃さないことが、求められるだけなのです。

 

それでは、どのようなときに、そのコインを売る必要があるでしょうか?

 

そのことを判断する基準として、以下のようなものがあります。

 

1. これから値下がりすると予想されるとき

2. これ以上、値上がりしないと予想されるとき

 

この2項目を念頭においておけば、売りのタイミングを見逃すリスクは大きく減らせるでしょう。

 

しかし、価格を下落させる要因が「ほかのトレーダーの売り」にあることを考慮するならば、この2項目だけで売りのタイミングを判断することは難しいかもしれません。

 

なぜなら暗号通貨を買っているのは意思を持った人間だからです。人間の行動には、理由や動機が伴います。暗号通貨への投資も同様です。買ったものを売るのには必ず理由があるはずです。それなのに「これから値下がりするから」と考えて自分も売りのスタンスを採るのは短絡的と思いませんか? あまりにも情報を表面だけで判断しすぎているとは思いませんか?

 

考えるべきは、

 

①どのような時に、世界中のトレーダーたちは売るのか?

②どのような時に、世界中のトレーダーたちはもう買わなくなるのか?

 

ではないかと、私は思います。

「思惑や期待」だけを頼りに投資をしている人ばかり!?

ここで1つの疑問が生まれてきます。「ほかのトレーダーはどうやってコインの割高・割安判断をしているのか?」という疑問です。ほかのトレーダーがいつ売ろうとしているのでしょうか? この疑問の解答を得るためには、どのように投資判断をしているかについて知る必要があります。

 

実を言うと、この投資判断が暗号通貨の場合、極めて曖昧なのです。

 

たとえば、株式投資の場合であれば、その株が高いか安いかは「その株を持っていると、1年間にどれだけの配当金がもらえるのか?」という価値(一株当たりの配当)に対し、「株価」が釣り合っているかを確認するはずです。

 

たとえば、「1年間に○○円の配当金がもらえるなら、株価○○円までは〝買い〟だろう」と判断して、相場一覧と、にらめっこしながらの売り注文と買い注文を繰り返すことでしょう。

 

これに対して暗号通貨には、株式のような配当金がありません。そのものの価値(価格)が今後、どれだけ上がる(あるいは買いが入る)かについての期待値が唯一の判断基準となっています。暗号通貨がこれからも上がると考える人が多ければ多いほどに、「買い」と判断する・・・これは、投資の初心者はもちろん、トップトレーダーにも共通した判断基準となっています。言い換えると曖昧模糊とした「思惑」や「期待」だけを頼りに、投資をしているのが実情かもしれません。

 

要するに、「思惑」などの心の動きに連動して相場が上げ下げすることが暗号通貨の市場の実情かもしれません。「皆はまだ買ってくれるかな?」「そろそろ売るのかな?」という部分を、トレーダー同士がお互いに気にするという、心理戦に近い形なのです。つまりほかのトレーダーも、数学的な分析や難しい数式により分析しているわけではないということです。

客観的に「ほかのトレーダーになりきった自分」を見る

この心理戦を制するポイントのひとつは、「ほかのトレーダーがどの価格帯でエントリーしているか」を知ることを挙げられます。

 

暗号通貨の交換所にアクセスするとみられる「チャート」の下部には「出来高」が表示されています。もし出来高が大きくなっている部分があるならば、多くのトレーダーはその価格帯で買っていることになります。

 

出来高が大きくなっている価格で、自分も売り(買い)しようと考えるのは悪くはありません。でも、さらに一歩先んじたいのであれば次のように考えてほしいのです。

 

「もし自分がそこで買っていたら、いつ売りたいと感じるか?」と。

 

仮定の話ですが、現在のチャートでは、以前に買ったポイントよりも値上がりしていたとします。「そろそろ売りたくなった」と考える人は少なくないでしょう。

 

また、逆に値下がりしていたら、売りにくい状態と判断するでしょう。もしも買ったポイントよりも値下がりしていたら、「買った価格までは最低でも復活して欲しい!」という心理になり、とりあえずは売りを控えるはずです。

 

ここまでいうと、おわかりいただけるのではないでしょうか。

 

過去に遡ってチャートを見直して、暗号通貨の価格が、以前に出来高が増えた(買った人が多い)ポイントにまで達すると、多くの売りが入るのではないか、と。

 

このような過去の相場の動きを踏まえた予想ができさえしたならば、ほかのトレーダーになりきって考えることが可能になります。自分の中に誕生させた「ほかのトレーダーになりきった自分」を客観的に見直せば、「ライバルよりも早く売る」ことができ、結果として、利益の獲得につながることが多いはずです。

本連載は、阿部悠人氏の著書、『わかる!できる!稼げる!暗号通貨 投資のイロハ』(ゴマブックス)から一部を抜粋したものです。掲載している情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。投資はご自分の判断で行ってください。本連載を利用したことによるいかなる損害などについても、著者、版元、および幻冬舎グループはその責を負いません。

わかる!できる!稼げる!暗号通貨 投資のイロハ

わかる!できる!稼げる!暗号通貨 投資のイロハ

阿部 悠人

ゴマブックス

注目のビットコインで3ヵ月で1億円を稼ぎ出した著者が暗号通貨の基本から投資のノウハウをわかりやすく公開!

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