暴落時の損失を最小限にできる「逆指値注文」
「成行注文」と「指値注文」だけでもかなり自在に注文できますが、さらにワンランク上の注文方法として「逆指値注文」と「トレーリング・ストップ」をどのようなシーンで活用すべきなのか解説します。注文方法には売り注文と買い注文がありますが、「逆指値注文」は売り買いどちらでも可能です。
「逆指値注文」とは?
逆指値注文とは、「〇〇円以上になったら買い」「〇〇円以下になったら売り」という注文方法です。「指値注文と同じでは?」と思ったかもしれませんが、指値注文は「〇〇円以下になったら買い」「〇〇円以上になったら売り」です。指値注文とまったく逆になっているので、「逆指値注文」と呼ばれています。逆指値注文も約定価格を希望する注文方法の1つですが、指値注文との使い分け方を話していきますね。
「逆張り的」な指値注文・「順張り的」な逆指値注文
指値注文は、「〇〇円以下でなければ買わない」注文方法なので、主に時価が高すぎるときに用います。「〇〇円で買うことができれば、その後反発して値上がりするだろう」と予想しているのです。
一方、逆指値注文は、「〇〇円以上でなければ買わない」という注文方法なので、主に時価が予想より低く推移している場合に検討します。「〇〇円以上まで値上がりすれば、そのまま勢いでさらに値上がりするだろう」と予想しているわけです。
つまり、指値注文は「逆張り」的、逆指値は「順張り」的な発想だといえます。どちらが正しいかということはありませんが、スタイルによってどちらか一方を多用する投資家は多いと思います。
また、この考え方は「買い」だけでなく「売り」においても同様です。指値注文は「〇〇円以下なら買い」となりますが、逆指値注文では「〇〇円以下なら売り」となります。
ストップ・ロス・オーダーに活用
これは、逆指値注文は「ストップ・ロス・オーダー」に活用できることを意味します。ストップ・ロスとは、損失を抱えている状態(含み損)において、さらなる損失の拡大を防ぐため反対売買(たとえば売却)することです。たとえば、ある通貨を4万円で購入した場合。「3万円まで値下がりしたら売る」と、逆指値注文を入れておきます。
そうすると、3万円まで下がったとき、自動的に売却してくれるので、「いつの間にか1万円まで下がって、損失が広がってしまった」なんて事態が防げます。このように、逆指値を入れておくことで、暴落時の損失を最小限にできる堅実な投資ができます。
「値上がりを追求しながら、利益を守る」
「トレーリング・ストップ」とは?
トレーリング・ストップも逆指値注文と同じく、利用価値の高い注文方法です。トレーリング・ストップとは、値動きに合わせて「動く」逆指値注文です。具体的には「(保有期間の)高値から〇〇円値下がりしたら売却」といった注文が可能です。
たとえば、「保有期間の高値から1万円値下がりしたら売却」するトレーリング・ストップでビットコインを購入した場合、どうなるでしょうか?
2017年11月12日現在のビットコイン価格は、1BTC=約72万円なので、「72万円」で購入したとしましょう。
トレーリング・ストップは1万円下なので「71万円」となります。その後、ビットコインが値上がりし「80万円」になったとします。すると、トレーリング・ストップは「保有期間の高値から1万円値下がりしたら売却」なので「79万円」に動くのです。これがトレーリング・ストップの最大の特徴です。
このトレーリング・ストップの時価への追跡は、価格が上昇し続けている限り終わりません。とはいえ、いつかは値下がりが始まります。もし「80万円」が直近の高値だった場合、値下がりして「79万円」のトレーリング・ストップに引っかかり、利益確定となります。
もちろん、トレーリング・ストップではない逆指値注文の場合は「71万円」のまま。手動で切り上げていくか、売却するかしなければいけません。トレーリング・ストップは、値上がりに合わせて動くため、「値上がりを追求しながら、利益を守る」運用方法に最適なのです。