クレームではなく「サービスリクエスト」!?
ここ最近の進んだ管理会社は、クレーム処理のことをサービスリクエスト(略してSR)と呼んでいます。どうもクレームというと「苦情」や「言いがかり」的なイメージがあるのですが、物件のことを一番よく知っているのは、毎日生活をしている入居者ですので、その方々からの苦情や要望に関しては、物件の価値を上げる改善リクエストなのだと意識することが大前提なのです。だから、クレームではなく、サービスリクエスト。
私のブログのタイトルは、「クレーム日記」ですが、心はいつでも「サービスリクエスト」です。ですから、たとえネチネチと苦情を言ってくるクレーマー的な入居者に対しても、サービスリクエストの精神で臨むのが原則です。
なぜなら、悪意をもって業務妨害を仕掛けてくる入居者などめったにいませんが、受けた側の対応が悪いから対決姿勢になる入居者は、たくさんいるからです。
「攻撃的な言い方」「理不尽な要求」には冷静な対応を
この点、間違えやすいので注意が必要です。悪意をもって仕掛けてくる相手以外は、こちら側に何かしら問題があるから攻撃的な言い方をしたり、理不尽な要求を言ってきたりするわけです。つまり、相手の求めている内容が適正なのか、そうでないのかがハッキリしないうちに、受ける側も一緒になって攻撃的な言い方で返してしまうと、損害に対する復旧が終了した後も相手の感情的な怒りが残ったままになるのです。
「そんな言い方はないだろ!」と、言い返した時は実にスッキリするものですが、その瞬間を我慢して相手が冷静になり、「言い過ぎました」と悟っていただくのが一番なのだと数々の失敗経験から学びました。
前著を書いた平成22年は、図表1のようなイメージでしたが、もう少し分けて考え、図表2のように区分けにしてみました。そして、これは書籍『帰ってきた 助けてクマさん! 賃貸トラブル即応マニュアル』第3章でお伝えするトラブル対処の基本的な考えとなります。
[図表1]旧サービスリクエストの種類
[図表2]新サービスリクエストの種類