今回は、収益も出せず、売ることも壊すことも難しい共有不動産の対処法を紹介します。※本連載では、株式会社中央プロパティー代表取締役社長で、住宅ローンアドバイザー、相続アドバイザーでもある松原昌洙氏の著書、『相続の落とし穴! 共有名義不動産』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、「共有名義不動産」のトラブル対策を事例を交えて見ていきましょう。

収益を得るつもりが「負の遺産」を背負うことに・・・

「受け継いだ収益物件が、全然収益を出してくれない・・・」

 

全体売却できればいいのですが、共有者に反対する人がいれば売れません。持分だけ売ろうにも、現状空室が多く家賃収入が見込めていない収益不動産だったら、買い取ってくれる人を探すのは大変苦労するでしょう。

 

「思いきって新しく建て替えよう」と提案しても「改築費用は誰が負担するのか」「借金してまでやりたくない」と共有者の間でさらに議論が交錯します。

 

人口減少が加速するこれからの時代、より一層「売れない」「壊せない」困った収益不動産を相続してしまい、収益を得るつもりがかえって負の遺産を背負ってしまうケースが増えていくのではないでしょうか。

望ましいのは「全体売却」による共有関係の解消

あまりにも今後負担が肥大化することが予想されるなら、さらに下の代へと受け継がせてしまう前に、全体売却して共有関係を解消することが望ましいと思います。

 

古い建物が建っているために売却額は低くなってしまうかもしれませんが、後々の大きなトラブルを起こさないためには致し方ないともいえます。解体やリフォームする余裕資金がない場合はそれが得策です。

 

この話は次回に続きます。

相続の落とし穴! 共有名義不動産

相続の落とし穴! 共有名義不動産

松原 昌洙

合同フォレスト

相続後に誰にでも起こり得る不動産のトラブルを回避せよ! 相続後に共有名義不動産を持った方、これから持つ可能性のある方へ、実際のトラブル事例と、その解決方法を大公開! 最初は些細な問題でも、時間の経過とともにみる…

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