損失を確定申告すれば、翌年以降の利益と相殺できる
株式投資で利益が出ると税金を支払う必要があります(NISA口座はのぞく)。売買手数料を差し引いた利益に対し、所得税と住民税、復興特別所得税を合わせた20.315%が納税額です。
証券会社で開設する口座の種類次第で、その計算や納税の方法が異なることは本書籍『5万円→1000万円!詳細!株入門』の46ページで説明しました。基本的には確定申告は不要とされる源泉徴収ありの特定口座でも、確定申告をするほうが有利であることがあります。
たとえば、複数の証券会社を使い分けて株取引をしている人の場合、どちらの口座でも利益が出ていれば源泉徴収されているので申告の必要がありませんが、損失を出した口座があるなら申告すると有利です。複数の口座での損失と利益を相殺できるので、課税される利益の額が減り、すでに源泉徴収されたその分の税金が戻ってくるのです。
損失は3年間にわたって繰り越せる
最終的に損失を出してしまった場合でも、その旨を確定申告すれば損失を翌年以降の利益と相殺できます(譲渡損失の繰越控除)。その損失の範囲内で翌年の利益には課税されなくなるので、将来利益を出せた場合の節税につながるわけです。毎年、確定申告を続ける必要がありますが、損失は3年間にわたって繰り越せるので忘れず申告しておきましょう。
この話は次回に続きます。