使い方を誤ると逆効果!? 助成金利用の注意点③

前回に引き続き、助成金活用の際の「注意点」を見ていきましょう。今回は、コスト負担に関する注意点も併せて説明します。

受給までの準備に費やしたコストは「自社負担」

前回の続きです。

 

●注意点4 コスト負担が先行する

 

返済不要の資金が手に入るのは大きなメリットですが、助成金を受け取れるタイミングは”支給要件を満たしたあと”になります。そのため、受給までの準備に費やしたコストは自社で負担しなければなりません。

 

例えば、今後の連載で紹介する「キャリアアップ助成金」では、非正規労働者として6カ月以上雇用したのち、正社員に転換後、さらに6カ月分の賃金を支払った翌日から申請が可能となります。

 

この時点ですでに雇用から1年経っているうえ、審査にも2~6カ月はかかります。いずれ助成金が入るとしても、それまでの人件費は確保しておく必要があるのです。

「目的」と「手段」を明確にすることが重要

また、支給要件を満たすためには非正規雇用の実績のほか、キャリアアップ計画や就業規則等の改定をしなければなりません。自社負担で準備を進めたものの、雇用した従業員が要件を満たす前に辞めてしまった場合、助成金の支給はなし。それまでに費やした準備のコスト負担だけが会社に残ることになります。

 

この場合の解決策は、連載第7回の注意点2と同じように、目的と手段を明確にすることです。目的を労働環境の改善に置き、その手段として助成金を使うという意識を持てば、コスト負担が先行することはデメリットではなくなります。 

 

この話は次回に続きます。

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    寺田税理士・社会保険労務士事務所代表税理士・特定社会保険労務士

    1976年生まれ、大阪府堺市出身。2003年、税理士登録。同年、西尾経営センター取締役に就任するとともに寺田税理士事務所を設立。2008年、社会保険労務士登録。寺田社会保険労務士事務所を設立。翌年、労働保険センターNIPRE大阪を設立、代表理事に就任。2012年には紛争解決手続代理業務を行うことができる「特定社会保険労務士」に登録。
    2018年、税理士と社会保険労務士のダブルライセンスを活かし多角的な経営戦略を得意とする「株式会社フォーグッドコンサルティング」を設立し、代表取締役就任。「大阪№1のサービス」をモットーに「節税」「労務」「助成金」など、企業のさまざまな課題を解決しながら、真に役立つ未来指向のコンサルティングを提供している。
    一般財団法人日本プロスピーカー協会「ベーシックプロスピーカー」、一般社団法人未来会計マスター協会「未来会計マスター」、一般社団法人日本会計コンサルタント協会「経営財務コンサルタント」。

    著者紹介

    連載資金力の乏しい中小企業が「助成金」で人材を強化する方法

    本連載は、2018年5月28日刊行の書籍『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい

    中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい

    寺田 慎也

    幻冬舎メディアコンサルティング

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