前回に引き続き、助成金活用の際の「注意点」を見ていきましょう。今回は、税金や、助成金ビジネスの罠について詳しく説明します。

税金対策をしないと、助成金の30~40%を失う!?

前回の続きです。

 

●注意点5 税金がかかる

 

勘違いしている人も多いですが、受け取った助成金は課税対象です。従って助成金を受給する場合は、同時に節税も検討する必要があります。

 

しかし、社労士は助成金の専門家であっても税金の専門家ではありません。何も対策を打たずに年度末を迎えると、せっかくの助成金の30~40%が税金として出ていき、手残りが僅かになってしまう可能性も考えられます。

 

ですから助成金の受給の際には、効果的な節税のアドバイスを顧問税理士に相談すること。適切な出口対策を講じてもらえるようにしましょう。

助成金の使用用途を明確にすることが重要

●注意点6 助成金ビジネスの餌食にされるリスク

 

大変残念なことではありますが、一部では助成金の受給を餌に営業を仕掛けている社労士がいます。そうした社労士から提案を受けた経営者のなかには、「お金がもらえるなら」という安易な考えで、制度をよく理解せず助成金を申請してしまうケースがあるようです。

 

助成金を営業ツールにしている社労士の場合、高額の成果報酬を請求するケースもあると聞きます。目的もなく助成金を受給し続けた結果、必要のない制度ばかりが会社に残り、運用で課題を抱えるといったリスクが生じることもあり得ます。

 

聞こえのいい話に乗せられてはいけません。経営者は助成金をもらって何をしたいのかをよく考えてください。 

本連載は、2018年5月28日刊行の書籍『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい

中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい

寺田 慎也

幻冬舎メディアコンサルティング

経営者は公的支援をフル活用して業績を向上させよ! 税理士・社労士資格を有する経営コンサルタントが豊富な実例をもとにわかりやすく解説。

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