クリスマスマーケットが生み出す20万人の雇用
2015年も残すところあとわずかとなりましたが、ベルリンでは今年、大小合わせて137ものクリスマスマーケットが開催されています。日が暮れる午後4時頃から街は暖かな灯りに彩られ、地元民だけでなく、ドイツ各地や海外からも大勢の観光客が訪れます。
ドイツ人にとって、1年で最も大切な行事がクリスマスです。1年を振り返る熟考の時期であり、家族が集まって一緒に過ごす時期でもあります。また、多くの企業にとっても12月は、最も収益が上がる月となっています。
【経済的要因① クリスマスツリー】
毎年ドイツで購入されるクリスマスツリーは、約930億円に昇ります(ツリー約2440万本分)。
【経済的要因② サンタチョコレート】
昨年のこの時期には約390億円の販売を記録し(サンタチョコレート1億4600個分:年間の同産業収益の90%に当たる)、その数値は毎年上昇しています。
【経済要因③ クリスマスマーケット】
毎年、ドイツ全体で約7000億円の売上となっています。ドイツ全土で開催されるマーケットは約2500、来場者数は1億5000万人~1億6000万人にも昇ります(ドイツ人口の2倍)。また、大きな経済要因として、クリスマスマーケットが生み出す約20万人もの雇用も見逃せません。
その他には、玩具販売業やレストランも12月は繁盛期です。伝統的な焼き菓子のレープクーヘンやホットワインも、この時期は特に売上げを伸ばす商品となっています。
観光客が押し寄せるベルリンのクリスマスマーケット
ベルリンに暮らす人のうち7人中6人は、クリスマスに何かしらの贈り物を購入しています。また、100ユーロを超える予算をたてる人の数は、毎年上昇しています。
●クリスマスプレゼントの予算金額
ある大手銀行がベルリンに住む人を対象に行ったアンケート調査によると、クリスマスにもらいたい贈り物では、旅行券が一番多くなっています。休暇を非常に大切にする暮しが反映された数値と言えるでしょう。また、観劇チケットを希望する人が多いのも、大小ありとあらゆる劇場がひしめきあうベルリンならではかもしれません。
またベルリンでは、「クリスマスマーケット路線図」が発行されるほど、毎年数多くのクリスマスマーケットが開催されており、一年を通じた観光客数が大きな上昇を見せる時期でもあります。中でも、筆者がお勧めしたい3つのクリスマスマーケットをご紹介いたします。
①ジャンダルメンマルクト広場(ミッテ区)
ヨーロッパ一美しい広場と誉れの高いこの広場には、ドイツ大聖堂、フランス大聖堂、コンツェルトハウスが集います。これらの建築物がかもし出す調和と荘厳さは、この時期一層の華やかさで彩られます。
特設ステージではライブ演奏や合唱などのプログラムも組まれ、日の暮れた頃には、ホットワインを片手にロマンチックな気分でクリスマスを満喫できる場所です。
②アレクサンダー広場(ミッテ区)
マーケットの広大な敷地内には、観覧車やメリーゴーランド、ジェットコースターなどの大掛かりなアトラクションに加え、スケートリンクも併設されています。子供連れの家族が多く訪れ、賑やかさではどこのマーケットにも引けを取りません。お祭り気分で楽しみたい方には最適です。
③シャルロッテンブルク宮殿(ウィルマースドルフ=シャルロッテンブルク区)
プロイセン王・フリードリヒ1世が、妃ゾフィー・シャルロッテのために建設した宮殿は、世界遺産にも指定されています。この時期は特別なライティングがほどこされ、敷地外遠方からも眺められるそのエレガントな姿は、心を静めてくれる美しい景観となっています。座って暖を取ることのできる室内レストランも併設されており、子供から年配の方までたっぷりと時間をかけて楽しめるクリスマスマーケットです。