今回は、事業承継前に知っておきたい「相続税の納税猶予の要件」を解説します。※本連載は、税理士である間誠氏の著書『マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策』(株式会社めでぃあ森)より一部を抜粋し、不動産を活用した「相続対策」の基礎知識を解説していきます。

中小企業の非上場株式にかかる相続税の8割を猶予

前回解説した株価の評価引き下げのほかに、相続税の納税猶予という方法があります。中小企業の非上場株式(一定の部分に限る)にかかる相続税の80%が納税猶予される特例です。これを「相続税の納税猶予」と言います。

 

この特例は、会社経営を一定の条件のもと続けていくことによって、相続税の猶予が可能となります。

 

しかし、納税猶予という言葉のとおり、相続税の納税が一時的に猶予されるだけで、免除されるわけではありません。

 

相続税の納税猶予を受ける最大のメリットは、納税資金の準備に悩む必要がないことです。換金が難しい非上場株式に相続税が課せられると相続税の納税が難しいケースも出てきます。そういった場合、この相続税の納税猶予を受けるメリットは後継者である相続人にとっては非常に大きいでしょう。

 

しかし、この猶予が取り消されるケースも当然ありえます。猶予が取り消されると、猶予を受けていた相続税を一括で納税する必要があるばかりか、猶予期間にかかる利子税もかかります。

 

これがデメリットとなります。

後継者の死亡など、税額が全額免除になるケースも

後継者が死亡した場合は、猶予されていた税額が全部免除されます。

 

また、申告期限から5年経過後は、次の場合も税額の全部または一部が免除されます。

 

●会社が破産・特別清算した場合

●親族以外の者に納税猶予を受けた会社の株式を全て譲渡した場合

●次の後継者に猶予対象株式を生前贈与して贈与税の納税猶予を受ける場合

 

 

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    本連載は、2017年11月22日刊行の書籍『マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策』(株式会社めでぃあ森)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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