今回は、小規模宅地等の特例の中から「特定事業用宅地等」の適用条件について見ていきます。※本連載は、税理士である間誠氏の著書『マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策』(株式会社めでぃあ森)より一部を抜粋し、不動産を活用した「相続対策」の基礎知識を解説していきます。

対象となるのは「被相続人が事業を営んでいた宅地」

被相続人が事業を営んでいた宅地を、その事業を引き継ぐ親族が取得し、申告期限までその事業を継続しかつその宅地を所有している場合は、「特定事業用宅地等」として「小規模宅地等」の特例の対象になります。この場合、400㎡までの部分を80%減額できます。

 

また、被相続人と同一生計親族が事業を営んでいた宅地を、その親族が取得した場合も、申告期限までその事業を継続しかつその宅地を所有していれば、同様の減額を受けられます。

 

相続対策の一環で、いわゆるアパート経営に踏み切る方は多いでしょう。こうした不動産貸付業を行なっている土地も「貸付事業用宅地」として認められます。ただし、評価減の割合は200㎡までの部分が50%減額されます。

「特定居住用宅地等」と併用しての適用も可能

この特例は、「特定居住用宅地等」の330㎡と「特定事業用宅地等」の400㎡と合わせて、730㎡まで併用できます。

 

限度面積に満たない場合、「貸付事業用宅地等」との併用ができますが、その場合は調整計算が必要です。また逆に、限度面積を超えているときは、限度面積を超えた部分については、この特例が適用できません。

 

〈キーワード〉貸付事業用宅地等

貸宅地や貸家建付地など不動産の貸付の用に供されていた宅地等です。駐輪場や駐車場などは、この特例の適用は受けられません。ただし、コインパーキングなどは特定事業用宅地等の8割減額の適用を受けられる場合があります。

 

本連載は、2017年11月22日刊行の書籍『マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策』(株式会社めでぃあ森)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策

マンガ&図解で ズバリ! わかる 相続対策

間 誠

株式会社めでぃあ森

オールカラーで見開き完結。 相続対策に目覚めた3人の男たちのストーリーマンガと、図解を多用したビジュアルな説明。 生前贈与、生命保険、不動産、遺言書、信託、による相続対策をわかりやすく解説しています。 最新税法…

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