土地の持分割合が少なく、建物の評価が低いマンション
相続対策として財産を不動産に替える、あるいはすでに持っている利用価値のない土地を売却して分譲マンションを購入するケースは多いでしょう。
通常の分譲マンションは区分所有マンションといい、土地は全員の共有で建物だけが各自の専有部分となっています。相続において、この土地の評価額は敷地全体の路線価に各戸の持分を乗じて算出します。
建物の評価額は、建築費用のおおむね50〜60%となる固定資産税評価額に、やはり各戸の持分を乗じて算出します。こうして算出した土地分と建物分を合計した額がマンション各戸の評価額となります。
マンションは土地の立体的利用であることから、各戸の土地の持分割合は少なく、建物の評価も低いので、相続においてマンションは有利な財産といえます。
19階建て以下のマンションの高層階がお得!?
マンションは通常、上の階ほど実勢価格(一般に売買されている価格)が高くなります。しかし、面積も間取りも同じならば、実勢価格にかかわらず相続税評価額が同じです。このため、相続税や固定資産税の節税に用いられ「タワマン(タワーマンション)節税」などとも呼ばれてきました。
ところが、平成29年度の税制改正で固定資産税が改正され、60m超(20階以上)の高層階ほど税負担が増えました。(実施は2018年度から)。相続税・贈与税についても評価額の再検討が今後、行われる可能性があるといわれています。
この税制は20階以上の高層マンションを対象にしているので、相続対策や固定資産税等の節税を視野に入れた購入の際は、19階建て以下のマンションの高層階が節税に適することになると考えられます。