人間は時間の経過とともに「知恵」がつく
ウソを見抜く上で気をつけること
◆ウソのサインは発覚した当初がもっとも出やすい
政治家や芸能人の不正やスキャンダルが、週刊誌などで報じられることがあります。こういう場合、発覚した直後の記者会見や囲み取材などが、もっともウソのサインが出やすいときです。
人間は時間の経過とともに知恵がついてきます。自分にいいように事実を塗り変えていきます。つまりファーストコンタクトが勝負なわけです。相手が理論武装する前に質問して確認するのです。
例えば、信号無視した車による交通事故。発生直後に車から降りてきた運転手は「すみません、テレビに気を取られて信号を見落としてしまって・・・」と信号無視した事実を謝っていました。ところが時間の経過とともに「信号が赤だったかどうかは記憶ない」「たぶん青だった」などと供述を変えます。
これは、現場に目撃者がいないということがわかったので証拠もないし、赤信号で進行したという事実は立証できないだろうと知恵がついたからです。こうなるとウソを立証するのはかなり困難になります。
ですから発覚した当初の段階で、しっかりと証拠を押さえておくことが重要になるのです。
予告なく唐突に聞いた方が「ウソのサイン」は出やすい
◆ウソを見破るには聞くタイミングが重要
ウソのサインは、何の予告もなく、唐突に聞いた方が反応が出やすいです。
例えば、旦那さんが朝帰りしたとします。当然ですが、帰ってきたときは奥さんに何を聞かれてもいいように旦那さんも弁解を考えています。ですから、質問したところでうまく答えます。
そこで、その日の晩御飯のときに唐突に聞いてみます。「昨日はどこで飲んでいたの?」「なんで朝帰りだったの?」と。
そんなに時間が経ってから聞かれるとは思っていないので、油断してウソのサインが出やすくなります。
例えば、社員の不正が発覚して、話を聞きたいときには「ランチでも行く?」と個室のランチに誘い、相手が油断している状況下で突然切り出してみましょう。
「あの件なんだけど心当たりある?」と。当人が犯人であれば、かなりの動揺が見られるはずですし、そんなときこそウソのサインが表れるのです。
森 透匡
刑事塾 塾長
経営者の「人の悩み」解決コンサルタント(人事コンサルタント)
株式会社クリアウッド 代表取締役