元刑事が伝授!ウソを見抜く強力なツール「可能性質問」とは?

今回は、ウソを見破る手段として効果が高い「可能性質問」について紹介します。※本連載は、元警部である森透匡氏の著書『元刑事が教えるウソと心理の見抜き方』(明日香出版社)から一部を抜粋し、ウソや人間心理を見抜くテクニックを紹介します。

人は「心当たり」があると、ネガティブ情報に反応する

ウソを見抜く強力な質問法として「可能性質問」という質問法があります。これは「犯人であれば、あり得る可能性」について突っついて聞くというものです。

 

例えば、ある会社の更衣室にある従業員用のロッカーから現金が盗まれたとします。その時間帯に更衣室を使用した社員は5人です。順番に話を聞いたところ、Bに複数のウソのサインが見られました。そこでBを再度呼び出して聞いてみることにしました。ここで使えるのが可能性質問です。

 

「あなたがロッカーから現金を盗んだのを、見た人がいる可能性はありますか?」と聞いてみます。

 

もし彼が犯人であった場合、誰かに目撃された可能性があります。彼は「誰かに見られたのではないか?」と勝手に想像をはじめます。そして仮に見られていた場合、何と答えてこの場を切り抜けようか考えはじめます。つまり、そこにウソのサインが出やすくなります。

 

犯人でない場合は、目撃された可能性はまったくないので「そんな可能性はありません。だってやっていないですから」と考える間もなく直ちにそう答えます。

 

人間はこのようなネガティブな情報を投げられると、心あたりのある人だけがそれに反応して勝手に悪い方向に考える傾向があります。

やましいことがなければ「何のこと?」で終わるが・・・

例えば、朝出かけるときにいつも見送りもしない奥さん(旦那さん)が玄関先まできて、「今晩、ちょっと大事な話があるから・・・」と神妙な顔つきで言われたとします。あなたならどう考えますか? 何もやましいことがなければ「何のこっちゃ」で終わります。ところが何かやましいことがある人は、「何の話だろう? 浮気がばれたかな? いや、へそくりかな? まさか離婚したいとか?」などと、勝手に悪い方向に考えますよね。

 

これは奥さんの投げたウイルスに感染したためです。人間は悪い情報を得ると勝手に最悪のことを考えて、その対処方法を事前に考えておこうとするのです。

 

ですから、「あなたがロッカーから現金を盗んだのを見た人がいる可能性はありますか?」と聞かれると、「目撃者がいたのかな? もし、いた場合には何て答えようか」と考えはじめます。

 

「その時間に更衣室は使ってない」と答えるつもりだったのが、急遽作戦を変更して「あ、使ったことは使ったけど」と答える可能性があります。

 

つまり、たったひとつの質問でそこまで引き出すことができるのです。

質問の前に、効果を高めるための「前ふり」を入れる

可能性質問のどこがいいのか。実はこれって、疑っていないのです。

 

相手の心に聞いているだけで、疑っていませんよね。「・・・の可能性はありますか?」と尋ねているだけですから。つまり可能性がある人だけが反応するのです。

 

また可能性質問をもっと効果的に使う方法があります。質問の前に効果を高めるための「前ふり」を入れるのです。

 

例えばこんな感じです。

 

「うちの会社では、こんな泥棒事件は絶対になくしたいと思っています。社員もパートも不安を感じているし、泥棒のいる会社なんて信用問題にかかわります。だから今回は徹底的に調べました。全社員から話を聞きました。ぶっちゃけいろいろな情報が集まってきました。ところで、あなたがロッカーから現金を盗むのを見た人がいる可能性はありますか?」。

 

犯人は「そこまで言うということは、目撃者がいたのかな?」と思いはじめます。

 

つまり「前ふり」を入れることで、信ぴょう性を高める効果があるのです。

 

私の経験から言うと、犯人と取調官との信頼関係が強くできていて犯人が素直な人間であれば、「そこまで言うということは目撃者がいたんだな・・・」と勝手に判断をして事実を認める傾向が強いです。

 

可能性質問は犯人であれば、あり得る可能性について聞くわけですから、必ず反応が表れます。

 

ちなみにこの質問法は強力なウソの見抜き方なので、本当にウソを見抜きたいときだけ使ってください。世の中には見抜かない方が幸せというウソもありますからね。

 

 

森 透匡

刑事塾 塾長

経営者の「人の悩み」解決コンサルタント(人事コンサルタント)

株式会社クリアウッド 代表取締役

刑事塾 塾長
経営者の「人の悩み」解決コンサルタント(人事コンサルタント)
株式会社クリアウッド 代表取締役 

警察の元警部。詐欺、横領、贈収賄事件等を扱う知能・経済犯担当の刑事を約20年経験。 東日本大震災を契機に独立し、刑事時代に現場で培ったコミュニケーションスキルをビジネスで役立ててもらうために「刑事塾」という学びの場を開講。「ウソや人間心理の見抜き方」を主なテーマに大手企業、経営者団体など毎年全国180か所以上で講演・セミナー・企業研修を行い、これまで5万人以上が聴講、「究極の心理学だ!」「おもしろい!」と人気を博している。
テレビ朝日「モーニングバード」、フジテレビ「ノンストップ」、読売新聞、日経新聞などメディアへの出演、掲載も多数。著書に「元刑事が教えるウソと心理の見抜き方」(明日香出版社)がある。

【実績】
神戸製鋼所、三井不動産、JXエネルギー、プルデンシャル生命保険、日本政策金融公庫、みずほ総合研究所、東京消防庁、千葉日経懇話会、東京商工会議所、東洋大学など(敬称略、順不同)

著者紹介

連載知能・経済犯担当の元刑事が教える「ウソ」の見抜き方

 

元刑事が教える ウソと心理の見抜き方

元刑事が教える ウソと心理の見抜き方

森 透匡

明日香出版社

警察官として約28年、うち知能・経済班担当の刑事を約20年務めた著者が、その経験の中から生み出した「ウソや人間心理の見抜き方」を公開。 相手がウソをついたときのサインの見方や、ウソつきかどうかを見極める質問の仕方が…

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