建物の派手さ・奇抜さは、居住のメリットにならない
前回の続きです。新しい「コンパクトアパート」ではこのほか、建物のデザインや外装材、室内の設備仕様について入居者確保の観点から、細かい点に配慮します。
いくつかポイントをご紹介しておきましょう。
賃貸市場では以前、屋根のデザインに凝ったり、外壁を奇抜な色にしたり、目立つことがややもすると優先されていました。そのほうが入居者の目を引き、より多くの問い合わせが集まり、満室にしやすいと考えられていたのです。
しかし、実情は違います。
入居者の立場になって考えると、見た目が派手であったり奇抜であることは、住む上でのメリットはさほどありません。むしろ、無印良品の雑貨などを好むいまの若い層には、そんな建物に住んでいることを友人などに知られると「ダサいやつ」と思われかねず、避けたいくらいでしょう。
ですから、これからの「コンパクトアパート」の外観デザインは住み手の感性にマッチした自然で落ち着きのある「シンプルモダン」がベストです。
万人受けして飽きがこないナチュラルなカラーを用い、建物の形状もシンプルな長方形が基本となります。
シンプルな形状にすることで、耐震性や耐久性もアップ
建物の形状について補足すると、敷地の形状に合わせて平面図上では凹凸にする部分もありますが、三角状や斜めの個所はつくらないほうがいいと思います。
耐震性や耐久性の観点からも、そのほうが強度がアップし、雨漏りなどもしにくいというメリットがあります。
「シンプルモダン」な外観デザインの例①
「シンプルモダン」な外観デザインの例②