前回は、集客のアイデアをすぐ反映できる、「一棟物件」ならではのメリットを紹介しました。今回は、入居希望者の気持ちを掴む「きれいな共用部分」の保ち方を説明します。

構造上「美観を保ちにくい賃貸住宅」も存在する

既に賃貸住宅の内部だけでなく共用部分にも投資し、美観を保ち、入居希望者を案内しやすい物件にすることが、大家さん業をやるには大切だと述べてきた。

 

そしてこれは私の持論なのだが、共用部の美観を保ちやすい賃貸住宅がある一方で、美観を保ちにくいものもある。

 

たとえば細長い敷地に各部屋を横一列に並べた配置。2階建てのアパートの典型的な例だが、これだと各部屋のドアが外廊下に向かって一直線にならぶ構造になる。外廊下には屋根をつけるにしても、風雨が強ければ屋外とほとんどかわらない。階段も同様だ。これでは金属製の手すりなどはすぐに錆びるし、木部にぬったペンキもすぐにはげてくる。鉄筋コンクリートや鉄骨造りにしても基本的には同じだ。エントランス、外壁、屋外階段など、塗装はこまめに、また早めにやるようにしたい。

 

これに対して廊下や階段を中心に持ってきて、それを取り囲むように各部屋を配置するすると、共有部分が風雨にさらされないので錆びにくいし汚れも少ない。まずは美観を保ちやすい構造に設計しておくことが前提だ。

共用部の清掃は、すぐ業者に頼める体制にしておく

これも基本的なことだが、共用部の清掃は業者にきちんと委託して、まちがっても自分でやろうとしないこと。規模の小さなアパートだと、近所の人に1回1000円ぐらい払って朝晩掃除をしてもらって良しとしている大家さんもいるが、それもダメだ。

 

入居希望者を連れてきたら汚れ放題ということがないようにするには、業務としてきちんと委託し、もし汚れていたら電話一本できてくれるような体制をつくっておきたい。

 

ネットにいくらきれいな映像を載せていても、実際に入居希望者が見た状態と食い違いがあれば、成約率もおちる。ネット集客を意識してというと、つい、いろいろな機能の追加のばかりに目がいくが、共用部をいつもきれいに保ち、入居希望者に好印象を与えるようにするのが基本だ。

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町田 泰次

幻冬舎メディアコンサルティング

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