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増え続ける透析患者・・・新たなクリニック開業への決意

一代で11の医療・介護施設の開業に成功した医師の軌跡から、事業拡大における極意を見ていく本連載。今回は、その第22回です。

立地に恵まれ、多くの患者が通うクリニックへと成長

東葉クリニックは診療もしますが、基本的にはサテライトの透析クリニックという位置づけです。だから近隣の大きな病院と提携し、その透析拠点として、患者さんに来ていただくのがメインの事業となります。週に何回もの人工透析をしに来ることは大変です。しかも自宅から離れていては、そのうち通うのが嫌になり、死を選んでしまうかもしれません。

 

そんなことが起きないようにするための方法とは何か。それは、私たちが患者さんたちのできるだけすぐそばにいることです。東金地区はその意味では、ちょうどエアポケットのように透析拠点の少ないところでした。また、成東や千葉市など、人口の多い地域ともそれほど離れていません。こうした面からも、ちょうど良い場所を見つけて開業できたのは幸いといえるでしょう。

 

千葉大学や千葉社会保険病院(現JCHO病院)はそれほど遠くないところにありますから、そちらから透析が必要な方々を紹介してもらっていますし、逆にこちらの患者さんが別の病気を併発した場合には、千葉大学病院や千葉社会保険病院を紹介することができます。

 

特に、千葉社会保険病院より、多くの患者さんの紹介を受けて、東金に開業した東葉クリニックは、順調に患者さんの受け入れを拡大していくことができました。

患者が増えすぎ、わずか1年で受け入れの限界に・・・

ところが、おかげさまで紹介をいただける透析クリニックとなったために、今度はベッド数を増やしても患者さんの数がもう満床の状態となってしまいました。もうこれ以上、患者さんを受け入れることができません。医師の本分としては残念なことですが、患者さんに来てもらっても対応するのが困難となり、また経営の面でも伸びるところの限界値にまで達してしまったのです。たった1年程度でそんな状態に陥ってしまいました。

 

遠くから来られる患者さんもたくさんいます。でも負担をかけるわけにはいきません。ならばどうすればいいいか。

 

答えは実にシンプルです。私たちが、そちらに出向いて行けばいいのです。

 

最初から「チェーン店化」することを考えていたことも事実です。そのタイミングが予定より少し早かっただけだと思えばいいのです。遠くから通う患者さんのほうへ拠点を増やせば、通う負担が少なくなるために患者さんにとって好都合であり、医師としてもより多くの人を救うことができます。東葉クリニックのように患者さんが多く訪れてくれれば、経営面でも支えになるはずです。

 

ただ、あの土地探しの苦労をもう一度体験しなければいけないのか、という思いもありました。4年をかけた経験上、多少のノウハウはあり、土地もいろいろと見てきましたから、前ほど苦労することはないとは思いますが、具体的に場所はどこが最適なのか、資金はどうしよう。そんなことが頭の中をぐるぐると巡っていました。

医療法人社団明生会理事長 千葉県医師会会長

千葉大学医学部卒業。1991年に千葉県東金市にクリニックを開業。透析施設7施設、介護施設4施設、関連施設4施設の包括的なネットワークで、患者が安心して受けられる透析治療や介護サービスを提供。日本透析医学会教育関連認定施設でもある同法人の東葉クリニックでは、学会や研究会などで毎年数多くの報告を行う。医療連携室にソーシャルワーカーを配置することで地域との連携を図り、保健・医療・福祉の3方向から総合的なサービスの提供を目指している。

著者紹介

連載11の医療・介護施設を開業した医師に学ぶ「事業拡大」の秘訣

 

 

ドクター・プレジデント

ドクター・プレジデント

田畑 陽一郎

幻冬舎メディアコンサルティング

医療者である開業医が突き当たる「経営」の壁。 経営者としてはまったくの“素人”からスタートした著者は、透析治療を事業の柱に据えて、卓越した経営センスで法人を成長させていく。 徹底的なマーケティング、2年目で多院展…

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